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に、 ページ4

『太宰さん、私、気付いたら此処に…』



嗚呼、私は矢っ張りマフィアには向いちゃいない。直ぐに混乱状態になるし、直ぐにこうして涙が出て仕舞う。



じわりと其れは目許(めもと)に浮かんだ。卦度、太宰さんに其の姿を見て欲しくなくて、手で拭う。



思い出した、そう、太宰さんは私の上司だ。



___流れる様に昇進した先は、太宰幹部の補佐役だった。最初聞いた時は震え上がったものだ。



マフィアの幹部の補佐?此の私が?しかも担当するのが噂に聞く歴代最年少幹部殿?



最初の一ヶ月は連続的な恐怖のオンパレードで、不手際な私は失敗ばかりを繰り返した。



「………こんな事も出来ないの?本当、異能だけで此処迄上がってきたんだね。吃驚だよ」

「使えないなあ。……()い、私が全部遣るから。此れ以上仕事増やさないでよね」



其れが新たな叱咤を呼び、酷く落ち込み、また失敗をする。其の時の言葉ひとつひとつを脳内で反芻させると、溜息が出てしまいそう。



『御免なさい、気を付けていた心算(つもり)だったんですが…助けに来てくれたんですよね?』



重々しい手枷をじゃらりと鳴らし身を乗り出すと、思わず頬を緩めた。



___幹部補佐を三ヶ月近く遣った処、少しずつ書類仕事には慣れてきた。徐々に柔く成っていく太宰さんの対応には、凄く感動したな。



其処で舞い込んで来たのは、私の「青鷺の宴」を主体とした任務。総司令は太宰さん。



元々机仕事は得意じゃ無かった。私が待っていたのは、こういう骨のある戦闘任務だ____



……………、あれ?



太宰さん、此処に来てから何も話してくれない。只柔らかな表情で、暗闇を見据えた瞳で、此方を見遣っている。



『あ、あの、太宰さ……?』



助けに、来てくれたんだよね。私のこと。



『……如何して、何も云ってくれないんですか?…あっ、ご、御免なさい、私の不注意で太宰さんの御手を煩わせて仕舞って……』



再度謝った処、(ようや)く彼は口を開いた。緩りと頭を横に振り(ながら)、可笑しそうな表情で。



「ふふ、先刻(さっき)から変な事を云うね。誘拐犯に対して少し律儀過ぎやしないかい?」



『………………え?』



誘拐犯?

さん、→←いち、



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伊波トウナ(プロフ) - えっおわりです…?! (2023年2月16日 11時) (レス) @page17 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
湯川 - 終わっちゃったよ…あと26回くらい見れる笑 (2021年11月27日 7時) (レス) @page17 id: b53f4168a8 (このIDを非表示/違反報告)
天ぷら - 終わりなんですかぁぁぁぁぁぁあ (2021年9月12日 10時) (レス) id: b7f3dee41e (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 素晴らしいです。更新待ってます。 (2018年11月25日 1時) (レス) id: a0d4f48c92 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 太宰さんの一方的で押し付けるような愛の形が好きすぎて…!支配的な愛情表現がたまりません!応援してます! (2018年8月27日 23時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千紘 | 作成日時:2018年8月9日 16時

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