個々の力 ページ21
人の姿に戻れば寄り添う炎に戸惑う住民達に俺の能力を説明する。
自然と力が戻る気がするという市民まで現れた後、俺の"炎"は受け入れられた。
あの糸がある限りはこの炎は消えない
倒れた戦士達にも見境なく届いているはず
僅かではあるがもう少し、もう少し持てばいい。
でもあとどれくらいだろう、いつ麦わらは復活するんだろう。
空をみれば収縮を進める鳥籠の中、光る綿毛が降っている。
誰かの能力とみて間違いないだろうし、もしかすれば今の俺の能力と類似したものかもしれない。
するとふいに、ドサッという音が聞こえる
音の方をみれば長刀が起き上がる所だった。
『長刀…！』
だが打ち付けた所が悪かったのか、小人に縫って貰った腕から血が溢れている。
『何してる、動けるような状態でもなかっただろ！』
｢ハァ…ハァ…うるせェ赤眼屋…。てめェが治せばいいだけの話だろうが｣
『それもそうだが…全く奇跡に頼りがちな医者め』
｢言ってろ。…麦わら屋があと3分少しで覇気が復活する、お前アイツの怪我を治してやれ。おれは今治療ができねェ｣
息も絶え絶えながら長刀がつらつらと述べる。
なんだそんな事、頼まなくてもやってやるさ
炎で止血ができるほどの"対価"を糸から取りつつ回復させる。
『言われるまでもなくやってやる、幸い"対価"にしてる糸はまだ多くあるからな』
現在地から麦わらがいる場所を聞く。
鳥の姿になって長刀の前に屈んで背に乗せそこまで飛んで行った。
そこに転がる麦わらは酷く疲弊しているようだった。
無理もない、あれだけの覇気を一気に使ったのだから。
『…が、お前には毎度驚かされるばかりだな。2年前と言い、今と言い…全く無茶をする』
"対価"を燃やし、麦わらを炎に包む。
骨も何本かやられてるな、ゴム人間でも骨はやられるのか。
ドスゥ…ン！！
国が揺れる。
空に目を向けると止まった鳥籠、だがまた動き出す。
籠を押す人達のおかげで僅かに止まった。
止まるものなのか。
｢赤…い、の…｣
小さく聞こえた麦わらの声。
目を向ければ薄らと目を開けている。
気がついたらしい、となると覇気の回復までもう少しと言ったところか。
『傷の具合はどうだ、麦わら』
｢もう、いい…俺また、怪我すると思うし…｣
『…だろうな』
麦わらを包む炎を払うように消す。
震えながら起き上がろうとする、恐らく覇気の完全復活まで、もう僅か。
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ツバメ - 頑張って下さい楽しみにしてます (2022年4月21日 12時) (
レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - ツバメさん» ツバメさん、2度目のコメントありがとうございます。頭足らずでちょっと理解が及ばないのですが続きをご所望という事ですね？申し訳ありません、前にも言いましたが執筆中でして…首を長くしてお待ちください。 (2022年4月20日 23時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 何度見ても面白いです この続きに似た別の作品とその作品名はもうあるのですか！？ (2022年4月20日 19時) (レス) @page45 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - ツバメさん» ツバメさん、コメントありがとうございます。申し訳ありません、ただ今キリのいい所まで執筆中でして…公開までもう暫く首を長くしてお待ち頂ければ幸いです…。 (2022年3月21日 17時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 話が面白すぎてもっと続きが見たいです 恋愛に関して疎い彼女マルコとどうくっつのかや麦わらとローとゾウ編気になります (2022年3月21日 5時) (レス) @page45 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2021年11月15日 17時
