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Zの一番長い日 2 ページ5







「目標は半身欠損状態まで追い込むも今なお交戦状態のまま移動中、断片情報のみだが確度は高い」


[何で断片情報なんすか、「牙刈り」本部からなんでしょ?]


全員揃って現場に移動中。


俺は上からバディを伝って移動していた。


「…最初のエンカウントはインド国軍グワーリヤル空軍基地、3時間前に封鎖された。中は屍喰い(グール)だらけで手の付けられない状況だそうだ」


「はあ…目撃者が皆「転化」しちまったんじゃ仕方ねえか…」


[「転化」ってなんすかザップさん、皆ブラッドブリードになるって事?]


「おいインモー後でこの世間知らずにブラッドブリードの知識叩き込んでやれ」


「え、何で僕なんすか」


まあ確かにその事に関してはど素人ですけど?


認めるけど後でザップさんシバくね。コケにされたから。


「だけど…しかしまあ基地丸ごとって…」


「ああ、相手はかなりの上位存在らしいな。滅殺は諦めてクラウスによる封印を敢行するとの事だ」


封印…あ、またクラウスさんの血法見れるんだ?


やりぃ、また目に収めておきたかったんだよね。


「…そんな大物…一体誰が追ってるんです?」


「分からん」


(即答なんだ、そこは手練の牙刈りの人って事でもいいんじゃ…)


[見付けたわ、フラットアイアンディストリクト南、パーキッソスビルのカフェ「空中楼閣」よ!!]


K・Kさんの声だ。


急げば俺近いや。…飛ばすかな。


『目視距離に到達。少し様子見て突っ込みます!』


[待ったA、君病み上がりだろ!無理するな!]


『はいはいそれはもういいでしょ、ご心配なく!』


スティーブンさんの静止も聞かず足場のバディに飛ばして貰う。


空中楼閣より数十メートル上に。


上から状況を確認する。


『マジか、どっちも半身欠損じゃん。こりゃ見分け付きにくいわあ』


半身欠損…色…鮮血…黒光り……ああ、わかった。そっちね。


『…Wearing Armor(鎧をまとえ)


足場以外のバディをビルの影からずるりと呼び出す。


ズズ…と根元から黒く鈍く光るものがバディを覆っていく。


これは目が覚めてから気づいたバディの能力。


それはもう甲冑みたく固くなって防御力、攻撃力は一段と跳ね上がる。


宿主にもダメージ全然来ない、何で気づかなかったんだろ。


Turn into a spear(槍と化せ)


ギュルッと先端が鋭くなる。


Wear(穿て)!!』


片方の深く帽子を被った方に向けて。


バディを放った。

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作者名:ゆず招き猫 | 作成日時:2020年5月24日 0時

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