Zの一番長い日 11 ページ14
･
｢失ッ…敬だな！！君は！！｣
｢…サーセン｣
『謝るくらいなら元からからかわない方が良かったんすよザップさん』
｢うっせ｣
チリッ
殺気、来る。
ゴッ ギギッ ガギンッ
ザップさんは焔丸で、弟弟子さんは三叉槍で、俺はバディで攻撃を弾いた。
気が抜けないなブラッドブリード。
咄嗟に鎧纏わせといて良かった。
｢余所見していたら命落としますよ｣
｢こっちのセリフだ出オチ野郎｣
『はいはい口喧嘩後でね二人とも』
普通のツタじゃダメだな、ここはアレがいい。
『
影から伸びる鋼と化したイバラ、バディ。
戦闘態勢バッチリ、いつでもいける。
その時だった、溢れ出るものすごい殺気。
空気が痺れる。足がすくみそうになった。
殺気のせいか肌が痛い。
ずっと戦っておいてまだ殺る気満々かよ、体力底なしだなあのバケモノ。
殺られるかと思って身構えていると、ブラッドブリードの手が上へとかざされる。
…しまったそっちか、下半身が狙いか！
噴き出す攻撃。
それはビルを上へ上へと登っていき、遂には屋上をぶち抜いた。
丸い何かが見える。真胎蛋だ。
落ちてくる真胎蛋に向かって上半身のみのブラッドブリードは跳び上がる。
やべ、あれ俺叩けないや、下手したら死ぬ。
｢斗流血法･シナトベ 刃身の伍 突龍槍 空斬糸｣
弟弟子さんが三叉槍を勢いよく投げる。
三叉槍は空中で糸状になりブラッドブリードに絡みついていく。
あ、まさか賤厳さんの再現しようとしてる？
｢A君！飛ばしてくれ！｣
『あ、はい！』
クラウスさんの言葉で我に返る。
バディの先端にクラウスさんを乗せ、ハマーさんの時と同じように飛ばす。
真胎蛋と一つにったブラッドブリードがこちらを睨む。
かと思いきや、パキパキっと氷が舞った。
スティーブンさんが上から阻害したっぽい。
｢そういう事か、先に言っとけ雑巾ジジイ！！｣
ザップさんの焔丸がブラッドブリードの腹を貫く。
｢オラ、行くぞ！｣
｢言われなくても…！｣
｢｢斗流血法･カグツチ･シナトベ 七獄天羽鞴｣｣
『お見事！』
下半身の時と同様。
炎と風に包まれるブラッドブリード。
苦しそうに暴れて触手の様な器官も暴れる。
『大人しく殺られてろよブラッドブリード！』
それら全ては俺が拘束。
そしてトドメは…クラウスさんだ。
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2020年5月24日 0時
