Zの一番長い日 8 ページ11
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「弟弟子といっても斗流血法・シナトベの正統後継者じゃ、貴様のはカグツチ。貴様の器が矮小でなければ不要な分派なのだがな」
「馬鹿言え、炎と風2つの属性の血液を混ぜ合わせねえで体内循環させ機に応じて別の血法として遣い分けるなんてえのは…人間様のやっていい領域を超えてんだよ」
賤厳さんの話によると、どうやらその弟弟子さんとやら飛行機でこっちに移動中らしい。
そしてもうすぐ着く頃だという。
一行はとあるビルの屋上へやってきた。
見晴らしがよくて風がビュウビュウ吹いてる。
そういえば知らない人いるんだよね。
背が高くて褐色で顔が整った…普通にイケメンな人が。
目の前に立たれると身長差がやばい。
「……」
『……』
無言を貫かれても困ります、何か言ってよ。
「クラウス兄ちゃん、この子が言ってた新入りの子?」
「ああ、そういえば名前だけしか伝えていなかったな。A君、彼はドグ・ハマー。普段はパンドラムという刑務所にいる」
『え、なんか罪あるんですかこんな善人ぽい人が。しかもパンドラムってあれでしょ、極悪人が結構いるとの噂の』
「僕じゃないけどね、彼のために入ってるんだ」
彼とは誰ぞや。
するとハマーさんは腕を差し出した。
何やら切り傷の様な古傷がある。そこから血がニュッと出てきた。
『わっ血が動いた』
「ただの血じゃねえ、俺様はデルドロ・ブローディだぜお嬢ちゃん」
『しかも喋った…』
ええ…なんかすごい、生きた血がこんなに話すなんて初めて見た。
「僕達一心同体なんだ、彼結構面白いんだよ?」
『そうなんですか?』
「うん!」
何その子供っぽい笑み。可愛い。
あ、そうだ挨拶挨拶。
『えっと…名前言う必要ないと思いますけど、A・ボールドウィンっす。どーぞよろしくお二人さん』
「うん、よろしくねAちゃん」
「オウオウ、よろしくな」
ハマーさんとは握手をしてデルドロさんは腕に巻きついてきて。
意外と不便なさそうだねそれ、なんて思って。
まあなんというか面白そうな二人だなあって思った。
ちなみに腕に巻き付かれたらエイブラムスって人に凝固させるぞって言われるらしい。(デルドロさん情報)
「キシャアシャギギシャシャ」
『ん?』
なんか賤厳さんの声がすると思ったらなんかいつの間にか後ろにいた。
改めて近くでみると頭に付けてるのって猪の頭蓋骨っぽいのね。
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作者名:ゆず招き猫 | 作成日時:2020年5月24日 0時