8、近所のお兄さん ページ9
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「オレが知らない間にそんな…!?」
「僕だってまさか受け入れられると思わないじゃないですか」
僕の話に目を丸くするこの男は、伏見ガク。23歳。
Aと僕が物心ついた時から、近所に住んでいる。
何となく言っておきたい気がして、現在のAと僕のことを話した。
「Aちゃん経験豊富な方だなぁって思ってたけど、そういうことだったんスねぇ〜。お互い大変だなぁ」
「こっちの身にもなってほしいよ」
「とやさんは子供のころからAちゃんのこと好きっスもんね〜」
どことなく楽しそうなので、ちょっと睨むとまた笑われた。
本人には全くバレないのに、ガクくんには小学生になる頃にバレた。
「っていうか、この関係ってどう思います?距離近くなったのはいいけど、アイツの次の他の男の為って思うと虚しいんですけど」
僕から言い出したこととはいえ、めちゃくちゃだと思う。
僕の質問にガクくんはびっくりしたように言った。
「え、とやさんこのまま普通に手伝うつもり?」
「いや、普通にって…」
「この機会にオトそうとか思わないんスか?」
「はぁ!?」
この機会にオトす?
あっちは恋愛対象にも見てないからこんな事頼まれてんのに?
意味が分からない。
「はぁ?はオレのセリフっすけど!とやさん無欲すぎない?」
「だって、今更じゃないですか」
「恋に今更も何もないッスよ!」
身を乗り出して言い返す大学生にちょっとたじろぐ。
可能性なさ過ぎて、全く考えもしなかった。
「逆にいいの、とやさんは!?Aちゃんが蛙化克服して、他のヤツとくっついても!何も言わずにただの幼馴染で終わっても!」
「それは……そりゃ嫌に決まってますよ」
「じゃあ頑張りましょーよ!」
頑張るって言われても、どうしたらいいんだよ。
常に彼氏いる鈍感女に恋してきたせいで、そんなこと1ミリも分かんねぇんだけど。
「とりあえず、もうちょっと自分勝手でもいいんじゃない?とやさんは。もっと自分の気持ち大切にしなよ」
「……うん」
「また何かあったらいつでも相談聞くし!」
ただ、がっくんのその言葉は素直に僕の胸にストンと落ちた。
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mil(プロフ) - あぁ、最高だ。。。 (7月4日 15時) (レス) @page36 id: 5c38ee4561 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - リンさん» 私も周りが結構多いんで、それでちょっと思いついた作品でもあります…!マジで衝動書きみたいなモンなんですけど、そう言っていただけると嬉しいです! (2022年12月3日 20時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - ころろさん» コメントありがとうございます!おお‥何かコンプリートしてしまった(笑)嬉しいです!期待に応えられるように頑張ります! (2022年12月3日 20時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - エイの干物さん» コメントありがとうございます!新作出すのお待たせしてすみませんでしたぁ!!嬉しすぎるお言葉…!頑張ります!エイの干物さんも体調に気を付けてくださいね! (2022年12月3日 20時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - わたしがいま蛙化現象真っ最中なのでめっちゃ嬉しいです (2022年12月3日 10時) (レス) @page5 id: 0f87eba771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2022年12月2日 23時