【2j3j】俺の姫は俺より大人【fw】

Episode3 ページ4

・








「Aちゃ〜」



『どうしたの、笑』



「俺のネクタイ締めてくれへん？」



『自分でできるでしょ、』



「Aちゃんがやってくれたのが、仕事頑張れるんよ」



『ふふ、しょうがないなぁ』









Aちゃんは朝から夕方まで働いてるから、夕方から夜にかけて働く俺とは丁度すれ違う。
でも今日はAちゃんの仕事が休みだったので、そんなことを言ってみた。
少し押し付けるようにネクタイを渡せば、折れてくれた。









「Aちゃんに結んでもらうん好き」



『大袈裟だって』



「んえ〜？ほんとよ？」









手先器用やなぁ…。
いつも俺が結ぶんより、綺麗やし。
何だかんだ言ってAちゃんも俺には甘いよな。









『できた』



「ありがと、行ってくるな！」



『あ、ちょっと待って』



「ん？」









今日もこれで頑張れる。
玄関に向かうと、Aちゃんが俺を呼び止めた。
俺が振り返る前に、グイっとネクタイが引っ張られる。









『ん。不破くんカッコいいから、他の子に捕まんないでね』



「ん、え、Aちゃ、…」










唇にやわらかい感触。
は…？ちゅーされた？










「待って、そんなんされたら、仕事とか、」



『じゃ、いってらっしゃい。頑張って』



「ちょ、閉めださんで！？」











他の子になんか、掴まるわけないやん。
俺、Aちゃんしか見られへんもん。


でも、するだけしてこれはひどいやん。











「あーもう、仕事どころやないって」











うるさいねん！俺の心臓！
キスでこんなんなるて、ホンマにホストか俺！


今日も姫は一筋縄ではいかない。











・

Episode4→←Episode2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す