東卍の姫が悪女らしいので何とかしたい。【東京リベンジャーズ】

35、本気出していい？ ページ35

〜千冬side〜






場地さんが危ない。


そう思ったのに、次の瞬間バッドを持っていた男が崩れ落ちた。








『お兄ちゃんに何やってるんですか』








虚しく転がるバッドを足で蹴り、現れたのはAだった。


男は彼女の蹴りでのびていた。








「あー、わり。助かったワ」



『気を付けてよね』



「何でそんな冷静なんスか…」








突然現れたAに驚いているのは、もちろん俺だけじゃない。


奇襲をしかけたはずなのに、あっさりとやられたのだ。


しかも場地圭介を兄と呼ぶ、華奢な女に。








「何だテメェ…！！」



『お兄ちゃん。私の通ってる空手の道場さ、小学生とか年下多くて本気出せないんだよね。唯一本気出せるのが先生だったのに、今怪我しちゃうし…』



「無視してんじゃ」



『まぁ大した怪我じゃないんだけど、腰やっちゃったみたいで治るまでに時間かかるって言ってて…、ちょっと最近不満なんだよね』








敵の言葉をすべて無視し、場地さんにそう話すA。


返事こそしないが、場地さんの顔は挑発的な笑みに変わる。









『だから、久しぶりに本気出していい？』



「はっ、やっぱお前って俺の妹だな」



『何当たり前の事言ってるの。笑』








Aが制服の袖を少し捲り、降ろしていた髪を後ろでまとめる。


Aを見ていると、本当に場地さんの妹なのか…？と疑ってしまうくらい真逆だと思っていたのに。


今、俺の目の前にいる彼女の姿は喧嘩をするときの場地さんと重なった。








「はっ、女が喧嘩？怪我すんじゃねーぞ」



「は？Aがお前らごときにやられるワケねーだろ。アイツから蹴る殴るされる以外に、触れることすらできねーよ」



「何だと…！！！」







場地さんに煽られた敵は顔を真っ赤にしてこちらを睨む。


Aの実力を知らない俺でも分かった。











＿＿＿＿この状況でAに喧嘩売るとか、バカなヤツ。

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