神も見て見ぬふり shp ページ44
神様って、本当に存在するんですか？
そんな質問にAは小さく頷いて��いる��とだけ答えた。俺の方に視線を合わせる事もなく、ただの石像に跪き祈りの言葉を述べている。
人間の拠り所がないから創られた存在なのに、と口
に出さず、じっとAを見つめた。
この辺りでは毎年、神に生贄を捧げる儀式がある。
生贄は毎回女が選ばれていて、今年はAの番だった。
Aに想いを寄せている輩は数人いて、死ぬ前にそういう関係になろうとした下衆もいたがAに一撃で沈められている。
いつしかAに好意を寄せる輩は居なくなっていた。＿＿自分を除いて、だが。
神なんて存在しないし、信じてもいない。
それを言ったところで訳の分からない聖水を浴びせられて終わりだ。どっちが異端なのか、分からなくなりそうだ。
「ずっと思うんですけど、それ、意味あるんすか？」
二回目の妨害。苛々したようにAは振り返り俺を見据えた。
「さっきから何？邪魔をするつもりならこの神聖なる空間から出てって」
「それ、それですよ。だって、神なんて存在しないんすよ。自分たちが作り上げた存在に毎日懺悔して、贖罪の言葉を述べて、命を投げ出すなんて馬鹿げてる」
「ショッピ。いくら貴方でも神様を侮辱するなら許さない」
そう言い放ったAに酷く俺は苛ついた。
＿＿今まで何を見てきたのか。
豊作を願うために多くの生贄を与えた。だがその年は凶作だった。生贄が悪かったな、という言葉は今でも忘れていない。
神なんて存在しない、全部まやかしだ。
Aはもっと、賢い人間だと思っていた。俺と同じ側にきっとなれる、そう信じていたのに。
「＿＿Aも阿保やな」
「なに、今なんて言＿＿」
俺は神と慕われているただの石像の前で、見せつけるようにAの唇を奪った。
優しくするつもりはない。酷く激しく、そして甘美にする。
嫌だ、やめて、なんて制止の声は聞こえなかった。
聞こえないふりをした。聞いていなかった。聞きたくなかった。
ほら、早く助けを求めてみろ。神はいるんだろ。
毎日祈りの言葉を捧げてきたんだろ。弱い人間を見捨てる屑ではないんだろ。
当然何も起こらない。冷たい隙間風が通るだけ。
初めてを俺に奪われた、それとも神が居ないのがショックなのか、Aは呆然としていた。
仮に神様とやらが存在していても、今の状況は見て見ぬふりをするだろう。
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できるニート(プロフ) - 真由さん» ホントですか！そのコメントだけでも励みになります！更新頑張ります (2020年12月25日 12時) (
レス) id: ffbcb8a332 (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - 初コメ失礼します...！最新話が鬼っほど大好きです...解釈一致が凄いです...ありがとうございます...！！！ (2020年12月25日 11時) (レス) id: 045f50c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：できるニート | 作成日時：2019年9月1日 14時
