そのバトンを渡したい sha ページ13
パァンという銃声と共に、一斉に走者が走り始めた。周りからの声援と次の走者の声が聞こえる。
私のクラスは現在三位で、四位のクラスと接戦だ。
クラスの順位なんかはどうでも良く、ただ一人の同級生を目で追うのが私の目標だ。
クラスの皆で考えたクラスTシャツを着たシャオロンは、腰に手を当てて走者を見つめていた。
クラスTシャツの後ろに"不人気(笑)"と刺繍されているからすぐに見つけられる。
自分のクラスTシャツにも"A"と刺繍されている。
どんな事を入れようか悩んでいた私に、"シンプルに名前でええんちゃう？"と後押ししてくれたのだ。
サイズが大きめのクラスTシャツの袖を握り締めながら、シャオロンにバトンが渡されるのを只管待った。
アンカーのシャオロンにバトンが渡り、クラスメイトの応援が最大になる。私も声に出すことはしなかったが、心の中で誰よりも応援をした。
そのかいあってか、見事にシャオロンはゴールテープを切りクラスは一位に。途中で相手が転んだのと、シャオロンが一位を抜かして差をつけてゴールしたおかげで余裕だった。
全てのアンカーがゴールし、リレーに出たメンバーたちがスタンドへ戻ってくる。
"おつかれー"や"ないすぅ！"というクラスメイトの声を受けながら、シャオロンは私の方へと向かってきた。
「A！どうや？カッコよかったやろ！」
自信満々な顔でそう告げたシャオロンに対し、私は素直に頷いて「カッコよかったよ」と言う。
いつもくだらない煽りをしているから、そう返ってくるとは思ってなかったのだろう。
シャオロンは驚いた顔で私を見ていた。
「そういうの、ホンマ狡いわ…」
若干顔を赤くしながら小声でそういうシャオロンは、次の種目を確認しに自分の座席へと戻っていく。
自分が少しでも運動神経が良かったら、リレーに選出されていただろうに。
シャオロンにバトンを渡せることも、出来たんだろうな。
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できるニート(プロフ) - 真由さん» ホントですか！そのコメントだけでも励みになります！更新頑張ります (2020年12月25日 12時) (
レス) id: ffbcb8a332 (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - 初コメ失礼します...！最新話が鬼っほど大好きです...解釈一致が凄いです...ありがとうございます...！！！ (2020年12月25日 11時) (レス) id: 045f50c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：できるニート | 作成日時：2019年9月1日 14時
