裏の顔 tntn ページ46
おはよ、と声をかければ、おはようと返事が来る。
いつも通り自分の席に腰を下ろせば、前の席のトントンが振り返った。
「おはよ。トントン」
「おはよう。A、隈酷いやん。ちゃんと寝てるか？」
そう心配そうに覗き込んでくるトントンの目にも、くっきりとした隈が存在している。
「人のこと言えないでしょ。馬鹿」
そう言って下敷きで頭を軽く叩けば、「せやな」と言って苦笑した。
「テスト勉強しとるん？」
「してるよ。前回悲惨だったからねぇ。ね、今度数学教えてよ。赤点だけは回避したいからさ」
「おん、いいで。俺も勉強になるしな」
そう言って快諾してくれたトントンは、私の手を見て表情を一変させた。
「＿＿どうしたん？これ」
優しく手をなぞるトントン。そこには痛々しい切り傷があった。
いつ作ったのか私でも分からない。知らないうちに、鋭利な物で切ってしまったのだろう。
「分からない。全然気付かなかった…。うわぁ、見つけた瞬間痛み出てきた」
「大丈夫なん？！それ。保健室行こか？」
「そこまで大袈裟な事じゃないよ。あ、絆創膏持ってる？」
「持ってるで」
ズボンから丁度良いサイズの絆創膏を取り出したトントンは、器用に傷に貼り付けた。
用意周到だなぁ、トントンは。まるで私が傷を作ってくることを把握してるみたいだ。
「ありがとう〜トントン。ほんと、頼りになるわぁ」
「Aの為だったら、なんでもするで。」
「ん？今なんでもって」
「変な事考えてるんじゃあないですよねぇ〜？」
「考えてませーん」
予鈴が鳴り、みんなが席に着き始める。トントンもハッとしたように前を向き、課題に取り組み始めた。
＿＿本当にトントンは優しいなぁ。
トントンの男らしい背中を見つめながら、そう思った。
＿＿本当にAは阿保やなぁ。
華奢なAの姿を見ながらそう思う。
ただ単に優しいフリをしているが、いつ解き放とうか。
今までの"優しい俺"が"屑"になった時、どう思うのか。
早くその表情を見たいものや。
その為にも、ゆっくりと侵食してくしかないんやけど。
___________
短編集を漁っていたら題名が全く同じものがありまして。
時期的に私の方が後なので題名を変更させて頂きました。
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未来(プロフ) - 初めましてぴくんとグルなんちゃらに性癖ぶち抜かれました (2019年5月22日 23時) (
レス) id: a2cb6e73c5 (このIDを非表示/違反報告)
うえちゃん(プロフ) - クズ先生好きなんじゃあ.....(^q^) (2019年5月9日 20時) (レス) id: 19511bfef8 (このIDを非表示/違反報告)
つらら@ちゃげっ娘。(プロフ) - すっごい面白いです！どの話も凝ってて読んでて楽しかったです！リクエストしていいですか？今までにないくらいのクズっぷり発揮してる大先生が見たいです！地雷に触れるなら嫉妬しょっぴくん可愛かったんで嫉妬大丈夫お願いします！ (2019年5月9日 3時) (レス) id: 9e136fef77 (このIDを非表示/違反報告)
レノ(プロフ) - エミさんの話めちゃくちゃ良かったです！その文才分けて欲しいですwまたまたリクエストになるんですが嫉妬ショッピ君とキス魔ロボロをお願いしたいです！ (2019年5月6日 23時) (レス) id: cf5e9d323f (このIDを非表示/違反報告)
レノ(プロフ) - リクエストに答えていたたぎありがとうございます！連続リクエストになりますが夢主を慰めるエミさんをお願いいたします！ (2019年5月5日 23時) (レス) id: cf5e9d323f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：できるニート | 作成日時：2019年5月3日 21時
