past.6 ページ46
side.A
櫻井先輩、改め翔ちゃんも大ちゃんもとても気さくで最初は邪魔しちゃったなぁと思っていたものも、
今となっては二人とこんなにも話せるようになっているとは思わなかった。
大ちゃんには完全に嫌わているというか、まぁ好かれてはいないだろうと思っていたけど、スイーツ好きってことが判明してからは話題が尽きない。
翔ちゃんはほんっとに優しくて、何か今まで見ていた印象よりもっと優しくなったというか。
でも、それと同時に翔ちゃんの大ちゃんに対する愛も痛感した。
大ちゃんが怒っていても、不貞腐れていても、
翔ちゃんはいつだって優しい瞳で見つめている。
それが恋人であるという何よりの証のように思えた。
「雅紀は何か部活とか入ってるの？」
「はい、バスケ部に入ってます」
「えぇ！凄いなぁ」
俺がバスケ部に入っていると言っただけでも翔ちゃんは大袈裟に褒めてくれた。
凄いって。
翔ちゃんはきっと、ここの大学が強豪校だから俺に凄いと言ったんだと思っていた。
でも、その本当の理由は後で大ちゃんから聞かされた。
「翔くんは、部活入ってねぇんだ……」
翔ちゃんがトイレに行っていて、実質は二人だけの空間で語られたことだが、俺にとってはなんて事なかった。
普通に帰宅部なだけではない事ぐらい大ちゃんの口調から簡単に読み取ることが出来た。
それに、翔ちゃんはきっと……
「サッカー、好きなんでしょ？」
「知ってたんだ？そう、翔くんは昔からサッカーが好きだったらしい。俺もてっきりサッカー部に入るもんだと思ってたけど、翔くんは分かってたみたい」
自分が部活に入れるような身体ではないと。
それを大ちゃんから聞いて、俺は決めた。
例え翔ちゃんが出来なくても、俺が頑張ってる姿を見たら少しは元気になってくれるんじゃないかと。
「雅紀ならバスケ上手いんだろうな。今度、俺も翔くんと一緒に見に行こうかな」
「ぜひ、見に来て下さい！絶対勝ちますから」
友達に、先輩にこんなにハッキリと宣言した理由は全く分からないけど、どうしても負ける訳にはいかないと思った。
大ちゃんは嬉しそうに頷いて、頑張ってと微笑んでくれた。
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未翔(プロフ) - 蒼星さん» 読んで頂きありがとうございます。そう言って頂けると有難いです。出来るだけ更新したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年5月26日 12時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
蒼星(プロフ) - 初めまして。毎回更新を楽しみに拝読しております。わざわざ更新出来ない旨のご連絡ありがとうございます。読者は作者様から与えて頂くもので楽しませてもらっていますので多少の待ち時間は気にならないです。お気になさらずこれからも楽しみに待っています。 (2019年5月26日 11時) (レス) id: c0123debb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年5月19日 21時
