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一人取り残されて焦った櫻井は目立たない
ようにと、見よう見まねで三万円分のチップ
を買うと、スロットマシンで遊んでみた。
何回か小さな当たりが出たりもしたが、
30分も経たないうちに全てのチップは
マシンに吸い込まれてしまった。
居場所がなくなった櫻井が大野達を捜して
ふらふらと移動していると、フロアの一部に
人だかりが出来ていた。
何気なく人混みの後ろから背伸びして
覗き込んだ櫻井は、そこに広がっている
光景に目を見開いたのだった。
・
「それで、雅紀さんは勝ったんですか？」
櫻井はシャンパンを飲み干した雅紀に
訊ねる。
雅紀はすぐ近くを通りかかった
バニーガールの盆にグラスを置きながら
首を左右に振った。
「全然ダメ、ルーレットで最初のうちは
調子良かったんだけど、勝負に出たところで
負けちゃって、結局すっからかん。
ちなみに大ちゃんもダメみたい。さっき熱く
なってスロットマシン叩いちゃって。
スタッフに注意されてたよ」
なにやっているんだ、あの人は……。
櫻井が呆れていると、その大野がすっと
雅紀の隣にやって来た。
「あれ、噂をすれば。
それで大ちゃん、どうだった？」
「……全部すった」
大野はふて腐れた態度でつぶやく。
「相変わらず、大ちゃんギャンブル弱いね。
ちなみに幾らつぎ込んだの？」
「……30万」
「あらま、結構使ったね。
奈美ちゃんがいたら完全に怒られてるね」
雅紀の言葉に大野は唇をゆがめると、
人だかりの奥を覗き込む。
「ニノと松潤は予定通りいってるか？」
「もちろん」
二人のやり取りを聞きながら、櫻井は
多くの人々が注目している二つの
テーブルに視線を向けた。
ポーカーのテーブルとブラックジャックの
テーブル、そこに二宮と松本が座っている。
そして、二人の横には大量のチップが
山のように置かれていた。
「……ブラックジャック」
俯いた松本が相変わらずの聞き取りにくい
声でつぶやきながら、手元のカードを表に
する。
その瞬間、人々の中から感嘆の声が上がり、
松本の正面に立つディーラーの顔が
こわばった。
松本の横に置かれたチップの山に、さらに
チップが追加される。
「松本さん、
なんであんなに勝てるんですか？」
「カードカウンティングしているからだよ」
「カードカウンティング？」
「そう、ブラックジャックの必勝法」
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未翔(プロフ) - あきさん» 読んで頂いてありがとうございます！ここから更に急展開ですのでお見逃し無く！！ (2021年5月25日 22時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - shioribaron0307さん» ありがとうございます！ (2021年5月25日 22時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - うわぁ〜急展開！！ワクワクしますね。続きを楽しみにしてます。 (2021年5月25日 15時) (レス) id: de45e6159d (このIDを非表示/違反報告)
shioribaron0307(プロフ) - お話面白かったです。続き楽しみにしています！ (2021年5月22日 14時) (レス) id: 7628593eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月15日 12時
