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「つまり警察は、金を貸していた誰かが
川奈雄太を殺害したって考えているって
わけかな？」
大野が顎を撫でながら確認する。
「うーん、たしかに捜査本部は
そう考えているようですけど、
どうなんでしょうねえ。殺しても
一銭の得にもなりませんから、普通
ヤミ金の奴らは暴力で追い込みを
かけることはあっても、人を殺すことは
しないはずなんですけど」
「脅すつもりで暴力をふるっている
うちに、相手が死んだって可能性も
あるんじゃないの？」
二宮は興味なげに後頭部で両手を組む。
「まあ、たしかにそうですね。
とりあえず私達は、川奈に追い込みを
かけていたヤミ金を捜しています」
「けどその表情じゃ、いまいち
捜査は進んでいないんでしょ？」
からかうように二宮が言うと、
古手川は媚びるような笑みを浮かべた。
「相変わらず和先生にはかないませんね。
そのとおりです。川奈の周囲の人間に
聞き込みをかけているんですが、
なかなかみんな口が重くて……。
まあ、相手は人を殺したかもしれない
奴らですからね。関わりたくないんでしょ」
古手川は、バーにいる面々に
意味ありげな視線を送る。
「川奈雄太とつるんでいた人物で
明らかに何か知っていそうな奴も
いるんですけど、何度話を聞こうと
しても全く口を開かないんですよ。
いやー、市民の味方の我々と
しましては強引に情報を引き出す
わけにもいかず、困り果てて
いるんですよね」
「雅紀さん、あの刑事さん、
いったい何が言いたいんですか？」
櫻井は古手川に聞こえないように
小声で訊ねる。
雅紀は手を引いて櫻井を
ソファーの隣に座らせ、
耳元で囁いてくる。
「簡単なことだよ。
自分がリスクを負って情報を
流しているんだから、それに
見合った見返りをよこせって
言っているんだよ」
「そもそも、なんで
あの刑事さんは俺達に捜査情報
なんて流してくれるんですか？」
「見返りを期待できるからに
決まっているじゃない。ほら」
雅紀は楽しげに言うと、
人差し指を立てる。
その指のさす先では、
大野がカウンターに手をかけ、
古手川に向かって
身を乗り出していた。
「古手川さん、その川奈雄太と
つるんでいた男が誰なのか
教えてくれるかな？」
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未翔(プロフ) - あきさん» 読んで頂いてありがとうございます！ここから更に急展開ですのでお見逃し無く！！ (2021年5月25日 22時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - shioribaron0307さん» ありがとうございます！ (2021年5月25日 22時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - うわぁ〜急展開！！ワクワクしますね。続きを楽しみにしてます。 (2021年5月25日 15時) (レス) id: de45e6159d (このIDを非表示/違反報告)
shioribaron0307(プロフ) - お話面白かったです。続き楽しみにしています！ (2021年5月22日 14時) (レス) id: 7628593eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月15日 12時
