失恋日記【AS】 (ページ13)

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「翔ちゃん最近、
顔色良くなったんじゃない？」

「そうかな？別にいつもと変わんないと思うけどなぁ」

「いや、前なんか見てられなかったよ。
何回怒りたくなったか」

智くんとの仕事は落ち着く。

こうして俺の心配をして怒りたくなる、なんて言ってくれるのは家族以外にメンバーとマネージャーしかいない。

松潤は俺の顔を見るなり全てを悟って
スタッフに先に手を回してくれている。

ニノは素直に言葉にしてくれる。

「翔ちゃんホントに働きすぎ。貴方は自分の限界知らないんだから。そう若くないのよ」って。

相葉くんは、今は正直分からない。

ただ昔は何も言わない人だった。

何も言わないのに顔には思いっきり出てて、
この人凄い心配してくれてるんだろうなって。

それが分かっていたから俺も「そんな顔しないでよ。ちょっと詰め込み過ぎただけだからさ」と声を掛けていた。

なのに今は、

「翔ちゃんもう休みな？明日も早いんでしょ」
「顔色わっるいなぁ、もう」
「ちゃんと休まなきゃ倒れちゃうよ」

誰よりも俺の心配をしてくれる。

普段の俺なら多少の睡眠不足は何の問題もないのに相葉くんからしたら大問題らしい。

飲んでいたビールを途中で回収されて
寝室に連行されることもしばしば。

そのお陰か、ついこの前にも顔色が良くなったとマネージャーに言われた。

「相葉ちゃんは翔ちゃんのことよく見てるもんなぁ」

「そういう貴方もよく見てるじゃない」

「いーや、そういう意味じゃなくてさ。
ま、翔ちゃんもじきに分かると思うよ」

ふと意味深なことを口走る智くんに
思わず首を傾げた。

・

「前を向くためには振り返らなきゃいけないんだよ。それがどんなに辛い事だったとしてもね」

きっかけは突如として訪れた。

「え？ロケ？ニノと2人で？」

「えぇメンバーコラボ企画として第一弾を櫻井さんと二宮さんにやってもらおうと思いまして」

レギュラー番組のロケ企画。
俺とニノが二人きりで、しかも泊りで。

新企画をニノと2人で任されることは昔から多かった。

トークは持つしスタッフさんも殆ど俺たちに任せてくれるから大して困ることはなかった。

なのに不安に感じてしまう俺がいる。

何かに怯えている俺が。

「行先はお二人に任せますので」

相葉くん、俺どうしたらいい？

無意識のうちに彼を求めていた。