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[side.N]
あれから相葉氏はなで肩という特徴だけで
スーツの彼の正体を突き止めた。
勤め先や交友関係まで。
案外ほんとに探偵かもしれない。
「櫻井翔ねぇ。
ほんとにオンナの子みたいな顔してんだ」
「で、これからどうする？」
「どうするって、会いに行くしかないでしょうが。あんたがここまでやったんだし」
「そうこなくっちゃ！」
乗り気になった俺は数少ない友人に
彼のことを聞いて回った。
出版業界の中ではそれほど目立った存在ではないらしい。
ただ、
「大野先生と仲いいみたいですよ」
「あー確かに大野先生と仲良くしてるね」
「あの二人プライベートでもあってるらしいけど」
彼の話を聞くたびに浮上してくるのが「大野智」だった。
若くして数々の賞を総なめにしてきた男。
映像化されることも多く
俺らの業界でもその名は広く知られていた。
相葉氏の調査で翔ちゃんに
彼女がいないことは既に把握している。
まずは大野智に近付こう。
そう考えていた、けれど予想外の事態になった。
・
「ね、ニノ！いたよ！」
「はぁ？なにが？」
「翔ちゃんが、翔ちゃんがいたの！」
映画の撮影の合間だった。
ロケバスに戻るなり俺の肩をぶんぶん揺さぶりながら「翔ちゃんが」と言う相葉氏。
俺と相葉氏はまだ翔ちゃんと話した事もないけれど、いつの間にか「なで肩の彼」から「翔ちゃん」と呼ぶようになっていた。
「ほんとに？見間違えとかじゃなくて？」
「ほんとだよ。
さっきそこの角を曲がっていったんだ」
興奮気味の相葉氏を見る限り、
この話は嘘ではないのだろう。
この後が昼休憩でよかった。
「ちょっと抜ける」
「了解、ニノちゃんファイトだよ」
コートを引ったくりロケバスを降りる。
行先は相葉氏から徴収済みだ。
本当に相葉氏はマネージャーではなく
探偵になった方がよかったような気がする。
オフィス街を抜けて走る。
彼の行きつけの蕎麦屋さん。
翔ちゃんは無類の蕎麦好きらしい。
迷いなく店に入る。
ぐるっと店内を見渡せば
俺の大好きな人がそこにいた。
とっさに店員さんに会釈して翔ちゃんの向かいの席に座る。
相席も悪くない。
じっくり顔が見れるし。
そんな俺を他所に面白ずらの彼。
「へ？」
そんな可愛い声をだすものだから
思わず笑いそうになるのを堪えた。
じっと俺を見つめる彼。
意外と脈ありだったりして。
「しょーちゃんの向かいの席、ゲット」
ようやく会えたね、翔ちゃん。
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未翔(プロフ) - 夜月さん» ありがとうございます！待って頂けていたというだけで嬉しいです。 (2021年4月17日 9時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます。 待ってました！ これからも頑張ってください！ (2021年4月16日 18時) (レス) id: f96e31a6df (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - コメント返しありがとうございます！ 全然ゆっくりで大丈夫です。 その分読み返したりしてます！ 日々の疲れを忘れることが出来感謝です。応援してます！ (2021年3月28日 22時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます！更新のペースはゆっくりになるかもしれませんがこれからも続けていく予定ですので、これからも宜しくお願いします！ (2021年3月28日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 更新ありがとうございます！いつも楽しく見てました！少しづつでいいのでこれからも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年3月28日 15時) (レス) id: 3292546019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2020年8月2日 12時
