第8場面 ページ11
語り：有岡大貴
〜4日後〜
光くんの意識が戻ってからは、俺たちは個人の活動を中心におこなっていた。
今日はその個人の仕事の一つである『ヒルナンデス！』への出演があった。
いつも隣に居るはずの光くんが居ないのって、こんなに寂しいんだって、改めて思い知らされた。
何とか無事に本番を終えた俺は、すぐに病院へ向かった。
病室へ入ると、先に伊野尾ちゃんが来ていた。
伊野尾ちゃん「おう！大ちゃん。」
光くん「･･･ダイちゃん！来てくれたんだ！」
「うん。さっきまで例のお昼の生放送に出てたんだけどさ、やっぱお前が居ないと寂しいわ。だから放送終わった瞬間、すぐにここへ来た。」
光くん「ありがとね。」
「今、何してたの？」
伊野尾ちゃん「俺、少しでも光が思い出すきっかけになればと思って、家からライヴのDVDを持ってきたんだ。今ちょうど、それを観ようっていう話になってさ。」
そう言って伊野尾ちゃんは、鞄から去年のライヴのDVDを取り出した。
光くん「良かったら、ダイちゃんも一緒に観ようよ！僕もすっごく興味があるからさ。」
「もちろん、喜んで。」
光くん「よし！じゃ、イイオちゃん、再生して。」
伊野尾ちゃん「イノオね。」
光くん「･･･あっ、ごめん！」
伊野尾ちゃん「まぁ、いいけど･･･。」
そう言って苦笑いしながら、伊野尾ちゃんはDVDを再生した。
本編が流れてしばらく経ち、メンバー全員が画面に映ったときだった。
光くん「･･･このライヴでスタートデイズ歌ったとき、楽しかったよね。」
俺と伊野尾ちゃん「えっ？！」
スタートデイズ。
それはHey!Say!BESTの曲のタイトルだった。
「･･･光くん、今、何て？」
光くん「大ちゃん！伊野尾ちゃん！俺、自分の事もみんなの事も思い出したよ！」
その言葉を聴いた瞬間、俺たちは泣きながら喜び合った。
伊野尾ちゃん「良かったー！」
「早くみんなにも知らせないと･･･。」
俺はすぐにスマホを取り出し、伊野尾ちゃんと光くん以外のメンバーに一斉送信メールを打った。
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作者名：如月ちゃい | 作成日時：2016年8月9日 18時
