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49話 ページ11

大きな劇場いっぱいに、拍手と歓声が響き渡る。





スポットライトを浴びた私は、観客席に笑顔を振り撒いた。








…結果的に言うと、舞台は大成功だった。


しかし、明日…二日目の公演もあるので、気は引けない。





早く衣装から着替えて、帰ってしまおう。


そう思い、楽屋に行こうと足を進めた時、どこからか泣き声が聞こえた。



…声からして、幼子のようだ。





そのまま聞いていない振りも出来ずに、私は声のする方向に向かった。







「うぅ…おとうさん、おかあさん……どこ…?」




うずくまっている小さな背中。…迷子だろうか?




『どうしたの?大丈夫?』



そう声を掛けると、少年は恐る恐るこちらを見た。


その瞳は不安で染まっていた。



…自分は、あまり幼子と触れ合った事もない為、こうして泣いている時にどう接していいかなど分からない。




でも、…ええと、自分が幼かった頃、母はどうしてくれていただろうか。




記憶の片隅にある、泣きじゃくっていた頃の自分を引っ張り出す。




『そうだ……』



そうして、私はその少年に近寄り、その小さくか弱い体を優しく抱き締めた。



『大丈夫、大丈夫……』




私が泣いていた時、母は同じように抱き締め、そう言ってくれたものだ。



そうして暫くそのままでいると、少年も幾分か落ち着いてきたので、経緯を説明してもらうことにした。




「えっと…お父さんと、お母さんとはぐれちゃって…」



やはり迷子だった。



とりあえず、劇場の入口で両親を待ってみることにした。その間は、他愛もない話をして。





「イソップ!!」




暫くすると、必死に探し回っていたであろう少年の母親がこちらへ駆け寄ってきた。




「すみません、ありがとうございました…さあ、帰るわよ」



「嫌だ」



喜んで母親の元へ行くと思ったのだが、少年は駄々をこね始める。



『どうして?ほら、お母さんの元へおかえり?』




「嫌だ。だって、もう会えなくなる」

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10優 - 好き……ほんと好き、これ(語彙力) 続き待ってます。頑張ってください! (8月17日 2時) (レス) id: 9d99cb2590 (このIDを非表示/違反報告)
- うわぁあ…好きです…。イソップ君との約束は、そういうことだったんですね…。。いや、もう本当に好きとしか言葉が出てきません。。これからも応援しています..。頑張ってください! (8月14日 0時) (レス) id: 89b85d5207 (このIDを非表示/違反報告)
るりくん - たまらなく好きです!続き待ってます! (7月28日 23時) (レス) id: b495665938 (このIDを非表示/違反報告)
あもうさん(プロフ) - 好きすぎて発作が… (7月13日 3時) (レス) id: 58d9a0471a (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - いやもう…あの…好きです(突然の告白☆) (5月24日 20時) (レス) id: 599033195a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梨々華 | 作成日時:2019年4月4日 23時

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