個性“文豪ストレイドッグス”の転生少女はどこまでも自由みたいです

そう……服も落ちたッッ！！！ ページ17

通形「そう、案の定俺は遅れた！ビリっけつまであっという間に落っこちた。服も落ちた」

あ、ギャグ入れてくスタイル。

通形「この個性で上を行くには遅れだけはとっちゃダメだった！！予測！！周囲よりも早く！！時に欺く！！何より“予測”が必要だった！そしてその予測を可能にするのは経験！経験則から予測を立てる！」

頭を人差し指で高速で叩く先輩。思ってたけど、先輩ジェスチャーめっちゃ多いよね。

通形「長くなったけどコレが手合わせの理由！言葉よりも“経験”で伝えたかった！インターンにおいて我々は“お客”ではなく一人のサイドキック！同列(プロ)として扱われるんだよね！」

そこまで言うと、先輩はスッ、と腕を前に伸ばす。

通形「それはとても恐ろしいよ。時には人の死にも立ち合う…！けれど、恐い思いも辛い思いも。全てが学校じゃ手に入らない一線級の“経験”」

彼は伸ばしていた手をグッと握りしめた。

通形「俺はインターンで得た経験を力に変えてトップを掴んだ！ので！恐くてもやるべきだと思うよ1年生！！」



『おー、プロっぽい』

んー、インターン……ねえ……。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


NO視点



廊下を歩く影が三つ。
先程までA組と一緒にいた“ビッグ3”の3人だった。
その内の一人が口を開く。


波動「ムダに怪我させるとか思ってたの知らなかったでしょ！？でも全員ケガなしで、偉いなあと思ったの今」

通形「いや、しかし危なかったんだよね」

波動「誰か面白い子いた！？気になるの不思議！あっ、私はねえ、文郷さん？だよね、あの子。あの子すごかったね、通形倒しちゃったもんね」

軽い足取りで思った事をツラツラと述べていく様は、純真無垢な幼い子供のようだった。

通形「うん！あの子面白いしいいよね！環のお気に入りの子だし、良い子なのは分かってたんだけどさ！！実際に会ってみるとより良い子だよね！」

天喰「！？べっ別にお気に入りとかじゃない……！ただ、俺なんかに優しくしてくれたし……」

急に自分が会話に出てきて、焦る。
言葉がだんだんと小さくなってゆくのを見て波動がニコニコとしながら口を開いた。

波動「ねえねえ私知ってるよ！そういうのから恋が始まったりするんだよ知ってた？」

天喰「こッ……！？」

通形「青春だね！……でも気持ちは分かるぜ環！」

天喰「ミリオ……！？」

バッと振り向くと、もう彼は前を向いていて。

通形「あとは緑谷くん。……二人とも、“サー”が好きそうだ」

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