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「そんなことないよ」






するり、





俺の自身に触れる 指先。






『あっ…』




「喜怒哀楽つかって、俺のこと愛してくれてるだけ。なにも おかしくない」





そう言って、うまく動かせないはずの両手を 器用に使い、




俺の自身を扱く 薮。







『あっ…あん…っ』





「俺も、何度 伊野尾を殺そうと思ったか、分からない。
大学入って、知らないヤツらが 伊野尾を汚い瞳で見てた時。バイト先で伊野尾が 店長に言い寄られてた時。俺の結婚が決まった時。


…高木と伊野尾が、関係を持った時」






低い声でつぶやくと、扱く速度が速まり、





ぐちゅぐちゅぐちゅ、と 響く水音。







『あっ…あっ…、知って、』





「伊野尾は自分のこと、"おかしい" "猟奇的" って思ってるかもしれないけど、俺も一緒だよ」





『イく、イくっ…!!』






絶頂まぎわの合図。




ビリビリと 背中が震えたところで、







『あ…ど、してぇ…』






薮は 手を止めた。









「イかせて欲しかったら、コレ外せ」





『やぶ、』






「次は、俺の番。


触らせろ……慧」





『あっ、』







名前を呼ばれただけで イきそうになった、なんて知ったら、





薮は笑うだろうか。







いや、





目の前で微笑んでる薮は、






もう 気づいているのかもしれない。









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作者名:本田 | 作成日時:2017年10月9日 1時

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