試合開始　-game start- (ページ23)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:87,302 hit

投掛1　-kazunari ページ23

ちゃんと話そう。

そう思って、携帯を開いて、電話帳から棚田さんの名前を探していたら、

１日ぶりにイヤホンから声がした。

『こんばんは。いかがお過ごしですかー♪』

楽しそうな声に腹が立つ。

『いろいろ悩んでるみたいですねー。』

m「だまれ」

松潤は今にも壊れてしまいそうだ。声が震えてる。

『まぁそうカッカせずに。皆さん愛しい人の声、聞きたくありませんかー？』

翔ちゃんの声…？

聞きたい。今すぐに聞きたい。

ずっとずっっっっと聞きたかった。

n「…聞きたい。」

思わず超声に出してしまった。

o「聞かしてくれるの？」

『皆さんがおりこうさまだったらねー♪』

a「…どういうこと？」

『皆さんが我々の言うこと聞いてくれたら、聞かせて上げても良いよってことです。』

m「要求はなんだ？」

『そうですねー。とりあえず我々にあやまってもらえますか？』

謝る？どういう意味だ？

m「はっ？意味分かんねえよ。なんで俺らがお前たちに謝らなくちゃいけ…」

松潤が言い終わる前にリーダーが止めた。

o「俺たちが謝れば、翔君の声聞かせてくれるの？」

『まぁ、そういうことで良いですよ。』

o『みんな、謝ろう。』

m「…っでも…！」

o「今は意地を張ってる場合じゃない。警察でも何でもない俺たちに今できるのはこれだけだよ。」

リーダーの言う通りだ。

今、俺たちは翔ちゃんの安全を確認しなきゃいけない。

n「…すいませんでした。」

a「ごめんなさい。」

m「‥……悪かった…。」

o「すいませんでした。」

『クククっハハッ面白いー。人に謝られるのってこんなに気分がいいんだね！君たちはもっと償うべきなんだよ！』

悔しさで胸が張り裂けそうだった。

『約束だからね。櫻井くんの声、聞かせてあげるよ。』

耳元で雑音が聞こえた後、荒い息が聞こえた。

o「翔くん…！」

リーダーが叫んでしばらくするとあの懐かしい声が聞こえたんだ。