27 ページ27
・
・
「俺、悔しかった。俺ばっかAの事好きみたいで」
近くのベンチに腰を降ろして
紫耀の話に耳を傾けます
「なんか、もういいやってなって。Aが俺の事ちょっとでも気にしてくれたらなって、分かるように浮気しちゃったりして。そんな、子供っぽい理由だったんだよ」
思っていた以上にシンプルで
でもそれは、紫耀だけが悪いことはなくて
『…紫耀だけが悪いんじゃなくて、そんな思いさせてた私も悪いよ。』
「ほら、そういう所。Aは優しすぎるから、俺には本音言えてないんじゃないかとか考えて不安で」
『……ごめん。でも私、いつでも紫耀の事ばっかり考えてたよ』
思ってる事がスラスラ口から出てきて
自分自身でも驚きました
きっと、私たちがここまで本音で話し合うのは
共にしてきた時間は多いけれど
今日が初めてです
風が吹いて、紫耀がゆっくりこっちを向いて
「本当に自分勝手だと思うけど、俺は1からやり直したい。俺はAが好きだよ」
しっかり私と目線を合わせて、言ってくれました
私はずっと、この言葉が聞きたかったけど
紫耀に私を見て欲しかったけど
Aが1番だって言って欲しかったけど
でも今は、貴方じゃないの
『…ごめん。何かあった時1番に頭浮かぶ人はもう、紫耀じゃない』
3拍おいて、私が答えると
最後に、抱きしめさせてと
目に涙をためて、彼は言いました
『…もう紫耀の涙は私じゃ拭えないから、笑って』
「優しくすんなよ、離したくなくなる」
すうっと大きく鼻を啜った彼は、
太陽みたいな笑顔で
「ありがとう」
そう言いました
『…いつかまた会ったら、』
『その時は、お互い幸せでいようね』
彼に背を向けた時、
私の眼からも雫が一筋、流れました
1153人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
グラタン(プロフ) - マフィンさん» ありがとうございます!更新が滞ってしまうこともありますが、必ず完結させるので楽しみにして頂けると嬉しいです( ^^ ) (2019年6月19日 23時) (レス) id: a0aacf55ae (このIDを非表示/違反報告)
マフィン - 本当にこのお話大好きです!切なくて面白くて毎回更新楽しみにしてます! (2019年6月18日 1時) (レス) id: 7378743b27 (このIDを非表示/違反報告)
グラタン(プロフ) - 0519namiさん» ありがとうございます〜(;;)とても励みになります!頑張りますね!! (2019年5月17日 21時) (レス) id: a0aacf55ae (このIDを非表示/違反報告)
0519nami(プロフ) - 凄く面白いです!廉くんの優しさにキュンキュンしてます続きのお話も楽しみにしてますので更新頑張って下さい! (2019年5月17日 12時) (レス) id: 50354e6784 (このIDを非表示/違反報告)
グラタン(プロフ) - ひかるさん» すみません、ご指摘ありがとうございます。自分でも気づかず…直させて頂きます。ありがとうございます! (2019年5月16日 22時) (レス) id: a0aacf55ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:グラタン | 作成日時:2019年5月5日 21時