君の記憶の片隅に

第十五話 ページ16

炭治郎side









『……私が質問に答えるなら、私の質問にも答えてくれますよね？』









少女は顎に手を当てて考える様に言った









御館様｢……そうだね。質問によっては答えられないかもしれないけれど。まず、名前を教えてもらってもいいかな？｣









『すみません、申し遅れました。私、上弦の零、鬼舞辻Aと申します』









！！









鬼舞辻……？









不死川｢鬼舞辻ィ？オイ、テメェ何モンだ｣









不死川さんは威圧的に聞く









でも、皆の顔がどこか浮かない









この人は、凄く懐かしい匂いがするんだ









『……私は、鬼舞辻無惨の妻です。』









炭治郎｢一つ、いいですか？｣









『！！…何かな？竈門炭治郎くん』









炭治郎｢…君は、俺達と何処かで会っているよね。凄く、懐かしい匂いがするんだ。どこで会ったの？｣









俺の質問に、Aは答えなかった









ただ、懐から一枚のかるた札を取り出して、読んだ









『……忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
人の命の 惜しくもあるかな……』









時透｢！！…その札、誰に言ってるの？｣









善逸｢え？なに？え、札の意味わかってないの俺だけ！？｣









善逸はこういうの苦手なのか、









悲鳴嶼｢……貴方に忘れられ、捨てられる私の身については何とも思わぬ。……ただ私と添い遂げるとあれだけ神に誓った、貴方のその命、惜しまれる。いつか、天罰が下るのだから……｣









『……正解。よく知ってたね、悲鳴嶼さん』









宇髄｢この中に、おめェを捨てた恋人でもいるってか？そりゃ地味に迷惑なんだが｣









『……半分正解。半分不正解。この札の意味は、また後で』









御館様｢……天罰か……下るのは鬼舞辻無惨の方じゃないのかな？｣









『……確かにそうかもしれませんね。殺せるものならとっくに殺してますよ。私が』









Aという少女からは、ほとんど匂いはしない







というか、無理やり本人が抑えてる様に思える









ただ、悲しい匂いが、微かにしたんだ

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