【d!】ようじょのいせかいにっき！！ (ページ18)

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にっき12 ページ18

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さて、回想を行っていた間も会話は続いている。トントンが言葉を選んで分かりやすく説明を行っていたが、どうにもAは上の空のようだ。

突然だが、小さい子は時に突拍子もない結論付けを行うことをご存知だろうか？それはもちろん、Aも例外ではなく──

帰って来れない→おしごと？→……捨てられた？→"わるいこ"だからだ

という発想に至っているのだ。さて、そんな衝撃的な妄想を患った彼女はどうなるのか……答えは簡単。

『まま、……ぱぱぁ………ぐす』

泣き始める、である。Aの心を読んでいた訳でもない彼らはもちろん驚く。

gr「トン氏が女を泣かせたゾ！！？？」

tn「誤解を生むようなこと言うなや！！！！いや、あながち間違ってへんのやけど…！！」

os「え、えっと…お菓子食べよ！な！？」

普段の飄々とした彼らは何処へ行ったのか。一人の幼女に翻弄されまくっていた。……と、ここで意外な救世主が現る。

シュタッ

zm「…泣いてるやん。」

天井から落ちてきたゾムである。いつもなら扉から入れと怒るトントンだったが、今はなりふり構っていられないようだ。

tn「ゾム！ちょうどいい所に！！なんかこう…泣き止ませ方知らんか！？」

zm「………」

ゾムは何を喋るでもなくAに近付く。ハラハラしている三人とは対照的に、Aは目の前に現れたゾムに驚いて涙が引っ込み、ポカーンとしていた。

zm「…フハッ！w 随分と間抜けな顔やなwww」

『！？……まぬけじゃないもん！！』

間抜けだ。間抜けじゃない。まるで5歳児の口喧嘩のような押し問答が始まる。まあ一人はリアル５歳なのだが…

zm「A、意外と頑固なんか……気に入ったわ！！」

何が彼の琴線に触れたのかはさっぱり分からないが、ゾムは気に入ったと言いながらAを持ち上げ、俗に言う"高い高い"を始める。Aもすっかり泣き止んでいた。子どもは切り替えが早いのだ。

tn「助かったな……」

gr「子どもの扱い…学ぶべきか？」

os「同意めう〜……あ"ぁぁぁ疲れた…お茶入れよ。」

gr「おい、具が出てるゾ。」

os「"具"言うなや。」

いつもの茶番も戻っていき、先程の混沌が薄れていく。………まあ、振り出しに戻っただけである。