第１６８話 ページ30
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「あー…私はA｡こっちはケルベロスのケルちゃん｡」
「俺はエトワール｡」
それぞれ自己紹介をしていく｡
よく見ると､ルフィ君の体は泥だらけ｡
森を駆け回っていたと見えるな｡
「Aにケルにエトワールか！お前らなんでここにいるんだ？」
「道に迷っちゃって｡ルフィ君は？」
「俺はここに住んでんだ！エースやサボ､あとダダン達！」
「っ…エース？」
エース｡
弟と同じ名前｡
「お前の言ってた弟と同じ名前じゃねぇか？」
エトは小声で聞いてくる｡
ちなみにエトは､私の過去のこと全部知ってるよ！
「うん｡同じ…」
でも私は､弟の顔を知らない｡
知らないから､複雑な感情が生まれてしまう｡
「もし…そうなのだとしたら……」
「ルフィ！！こんなところにいた！！」
ばっと顔をあげると､黒髪と金髪の男の子が出てきた｡
ドクリ…ドクリと心臓が鳴る｡
「ったく､勝手に行くんじゃね…ぇ…」
黒髪の男の子と目が合う｡
固まる私達｡
「A？」
不安げに見つめてくるエトも｡
「クゥン？」
か細く鳴くケルちゃんの声も｡
聞こえない｡
見えない｡
目の前にいる､少年の姿しか映らない｡
不意に､頬に生暖かい何かが流れる｡
涙だ｡
「っ…あ…」
声がでない｡
少年の顔も､声も､姿も初めて見たはずなのに｡
涙が止まらない｡
少年も涙を流していた｡
一歩､一歩と縮まる距離｡
近づけば近づくほど､少年の顔がよく見える｡
「……エース…」
「………アン…？」
私はそっと､少年の頬に触れる｡
私よりも､少し小さい身長｡
「っ！！」
抱き締めた｡
きつくきつく｡
離れないように｡
「っう…！！」
少年も抱き締め返してくる｡
お互いが求めあっていたように｡
ただただ抱き締めた｡
感じたんだ｡
分かっていた｡
たとえ違う道を辿ってきていても｡
分かっていたんだ｡
覚えていなくても､産まれたときは一緒だから｡
同じ血が流れているから｡
「エースっ！！」
「アンっ！！」
会いたかった人が目の前にいる｡
「エース！！」
求めていた人が目の前にいる｡
「よかったあぁぁぁぁ！！」
引き離さないで｡
お願いだから｡
「生きててくれてありがとうっ！！」
もう…離さない｡
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リツ(プロフ) - 酒恋女さん» そんなにですか！！ご愛読ありがとうございます！この小説を読んでくれるってだけで嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2018年3月22日 7時) (
レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
酒恋女 - リツさん！！！！！！！すっごく感動しました！！！！もう"ひまわりな君へ"を読むとき、片手からティッシュが離れませんでした！！！！！！！これからも更新を楽しみにしています！アンとえと！！！！頑張れ！！！！ (2018年3月22日 0時) (レス) id: 39f73519ea (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - 三村友里亜さん» 嬉しいお言葉！励みになります！ありがとうございます､頑張ります！ (2018年3月7日 21時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
三村友里亜(プロフ) - 毎回楽しんで読ませてもらってます！これからも頑張ってください！ (2018年3月7日 21時) (レス) id: c7ded62622 (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - miチョコさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2018年2月22日 7時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リツ | 作成日時：2018年1月13日 23時
