. ページ23
masaya side
具合が悪くなっちゃった雄大に代わって、
洸人がラジオの収録に来てくれた。
最近楽曲制作とかでずっと徹夜続きだと思うし、
せっかくの休みなのに申し訳なさすぎたけど。
「洸人?大丈夫?」
洸「え、なにが」
いざ顔を見たら、もう申し訳なさを超えて心配しかなかった。
顔色悪すぎでしょ。クマが目立つくらい本当に青白くて、
こめかみを抑えたりギュッと目を瞑る仕草からして
多分頭痛いんだろうなって思う。
でもいつも通り気丈に振る舞う洸人を見てると指摘しづらい。
せっかく来てくれたのに帰れなんて言えないし…
1時台の収録を終えた3人がスタジオから出てくる。
3人とも勘が鋭いから、
洸人の顔を見たら多分調子悪いって気付くよな…
さっきからチラチラ洸人を見てると
薬を探してるような感じだったし、そんで無さそうだし(笑)
ちょうどいいわ、と俺のカバンの中から頭痛薬を取り出して
3人から洸人を隠すようにしてこっそり渡した。
フ「柾哉お疲れ。あれ、洸人は?」
「あー、来てくれたよ洸人。今ちょっとトイレ」
フ「そうなんだ。じゃああと頑張って」
大「俺この後なんもないんで、ちょっと雄大の様子見てきます」
「助かる、ありがとう」
3人を見送って…よし、待ってろ洸人〜!
洸人が持っていき忘れたペットボトルの水を片手に
近くのトイレまでダッシュした。
「洸人〜?いる〜?」
返事なし。
でも洸人はここにいるはず。1つだけドア閉まってるし。
「洸人〜ちょっと開けてくれない?
水持って行かなかったでしょ。まだ薬飲めてないよね?」
すると鍵が開く音がして、勢いよくドアを開けると
中でしゃがみ込んでぐったりしている洸人を発見。
「洸人!キツかったね、ごめんね無理させて…」
両手で顔を覆って、ハァハァと浅く息をする洸人。
限界まできてるのに、なかなか吐けない状態にも見えた。
「気持ち悪い?吐いちゃいたい?」
洸人は小さくコクコクと頷く。
体を支えるように背中に手を回すと少し熱いし、
手を取るとこっちは冷たいし、これはなかなか酷そう…
背中を強めに摩るけど、涙目になるばかりで効果なし。
「ごめん、ちょっと口開けて」
今度は、持ってきた水を少し飲ませてみた。
洸「っ、!!」
するとこれは効いたみたいで、解放されたように背中が波打った。
.

262人がお気に入り

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あっちゃん - 和もちさんコメント (9月2日 16時) (レス) @page10 id: dde3423926 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らりさわ | 作成日時:2024年8月20日 17時