救出 ページ7
.
ピンポーン
肩で息をしながら、
レトさんの家のインターホンを押す。
しかし、いくら立っても誰も出てこない。
ピンポンピンポンピンポーン
頼む……でてくれ……
そう祈りながら何回もインターホンを押す。
しばらくインターホンを押し続けていると、
やっと開かれたドアからレトさんが顔を出した。
キヨくん、どうしたの
そう言い終わる前に、
「ちょっと中入らせてもらうわ」
と俺は強引にドアをこじ開け
部屋の中に遠慮なく入っていく。
「ちょっ、キヨくん……？！」
そんなレトさんの制止など気にもとめなかった。
リビングのドアを開け真っ先に目に映ったのは、
部屋の隅で縮こまって震えるレトさんの彼女の姿。
「Aさん大丈夫？！」
俺は急いで駆け寄って声をかけるが、
反応は愚か、目すら合わせてくれない。
後からリビングに入ってきたレトさんを見ると、
反省の色は見えず、
あーあ、面倒臭い奴に見つかった
とでも言いたげな顔だった。
俺はその表情に怒りにも似た感情を覚える。
「なぁレトさんどういうこと？説明して」
隠しきれない怒りの籠った声で
レトさんに問い詰める。
しかし、無言を貫くレトさん。
痺れを切らした俺は、
「どういうことかって聞いてんだよ！！！」
と声を荒らげてしまう。
それに反応したのは、レトさんの彼女だった。
肩をビクッと震わせ、
俺のことを怯えた目で見つめる。
やらかした。
彼女を怖がらせたい訳じゃないのに。
俺が後悔していると、
レトさんはやっと口を開いた。
しかし、やっと絞り出した言葉は
「キヨくんには関係ないやろ」
この一言だった。
その言葉から、
俺の感情は怒りから呆れに変わった。
きっとレトさんに何を言っても無駄だ。
それなら、俺は最終手段に出るしかない＿＿＿
俺はレトさんの彼女の手を握って
無理やり立ち上がらせる。
「行くぞ」
何事かと目を見張る彼女に声をかける。
彼女をグイグイ引っ張りながら俺は玄関へと向かった。
その時、レトさんの横を通り抜けたが、
俺たちを止める事などせず、
ただただその場に立ち尽くしているだけだった。
.
俺は夜の道をひたすら歩いた。
彼女の顔なんて一度も見ずに、
手から感じる彼女の体温だけを頼りに存在を確認する。
俺が突然連れ出しても何も言わない彼女。
この時彼女は何を考えていたのだろう＿＿＿
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ひばり(プロフ) - emiさん» 前作に引き続き読んでいただきありがとうございます〜！！すごく嬉しいです……！これからも応援よろしくお願いします！ (2020年5月29日 7時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - 待ってました！！(誰) 前作も見ていました！ひばりさんの作品大好きなんです！！体に無理がない頻度で、更新頑張ってください！ (2020年5月29日 5時) (レス) id: ec0b5da59b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひばり | 作成日時：2020年5月28日 7時
