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手伝う、なんて言っておきながら、
俺が出る幕はほとんどなかった。
レトさんの彼女は
三人分の飲み物をグラスにいれ、お菓子を綺麗に皿へと並べていく。
俺はその手際の良さを
ただただ見つめることしか出来なかった。
ぼーっとその動作を見ていると、
動く度に七分袖のTシャツから細い腕がちらちらと見えて、
俺はある違和感に気付く。
なんか不自然な位置に痣ねぇか……？
俺は気になって.
「あの……」
と声を掛けるが
「キヨくん」
と俺を呼ぶ鼻声に邪魔をされる。
声の出処を見ると、
俺たちから少し離れた位置にレトさんが立っていた。
「先に俺ら二人でゲームしてようや」
そう続けるレトさんの目は全く笑ってなくて、
俺は恐怖すら覚える。
特に手伝うこともなかった俺に対して、
そんなことを言われてしまったら大人しく従う他ない。
くそっ、あと少しで聞き出せると思ったのに。
名残惜しさを感じつつも、
俺はレトさんとゲーム部屋に向かおうとする。
すると、
ピンポーン
インターホンの音が部屋に鳴り響く。
おそらく、
うっしー、ガッチさん、フジの誰かが来たのだろう。
「……出迎えてくるわ」
心底嫌そうな顔を浮かべながら、
レトさんは玄関へと向かっていく。
マジで誰だかわかんねぇけどナイスタイミング。
俺は心の中で感謝しておいた。
でも、こんなの時間稼ぎにしては短すぎる。
訪問してきた誰かを家にあげたら、
レトさんはすぐここに戻ってくるだろう。
どうする……考えろ俺……
痣の理由をなんとか聞き出したい俺は
焦りでまともに考えられない中必死に考えを巡らせる。
そして、思いついた一つの手段。
「あの！今スマホって持ってますか……？」
その発言にきょとんとしつつも、
彼女はズボンのポケットからスマホを出した。
俺は急いでLINE画面を開いて、
QRコードで友達登録をする。
「なんか困ったことあったらいつでも連絡してください」
そう言って彼女にスマホを返した。
とりあえず連絡先がわかれば
いつでも話を聞くことができる。
俺は微かな希望をスマホで繋ぎ止めた。
.
その後、
いつも通り撮影が始まった。
その間、俺の頭にあるのは
白い腕に浮く青い痣のことばかり。
「……ヨ……キヨ！！」
名前を呼ばれてハッと我に返る。
フ「次、キヨの番」
そう言われて、手札を出す。
その後も、
思い出すのは痣のことばかりだった。
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ひばり(プロフ) - emiさん» 前作に引き続き読んでいただきありがとうございます〜！！すごく嬉しいです……！これからも応援よろしくお願いします！ (2020年5月29日 7時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - 待ってました！！(誰) 前作も見ていました！ひばりさんの作品大好きなんです！！体に無理がない頻度で、更新頑張ってください！ (2020年5月29日 5時) (レス) id: ec0b5da59b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひばり | 作成日時：2020年5月28日 7時
