5話。 ページ5
Aside
「君は悪い子だ。今までどんなことをした?拷問って、まさか情報を引き出すためだけじゃあないだろ。見せしめのための殺しをやってきたんだろ?そう、例えばこの2人みたいな…。」
「無理やりされながら腹を引き裂かれるのはどうだい?開いたお腹から俺のが見えるかもな。俺は拷問のプロじゃないからこんなちゃちなのしか思いつかない!教えてくれよ」
一瞬想像した。この男に辱められながら殺されるのを。すごく怖い。でも、今までの行いを考えればそれが妥当なのかもと思った。
『あ…………』
つつ……と、彼の指が私の腹をなぞる。ああもうだめだ、私死ぬんだ…と思った。が。
「なんてな、嘘だよ」
『…え、…』
「君が2人を殺したのを知っているのは俺だけだ。大丈夫。安心して。誰にも言うつもりはない」
「俺、君のこと気に入っちゃったからさ……殺す訳にはいかないよ。それに言っただろ?君に危害は加えないって」
『で、でもどうして私が殺したことを知ってるの。なのになんで私を気に入るの…?』
この男には疑問しか生まれない。何を考えているのか分からない、私にとって少し苦手なタイプだ。
「2人が殺されたことがわかった時、リーダーは俺たちにもう金輪際この件について触れないように言ったんだ。でも俺はどうしても確かめたかった。誰がこんな残酷な殺し方をしたのか。ソイツはきっと天性の才能があるって思ったんだ。だからみんなには内緒でソルベの遺体を調べた。そこで採取した指紋をちょっと調べれば…君が出てきた!」
「ソルベとジェラートとは、特段仲が良いわけではなかったしそこまでショックではなかった。だから君に恨みはない。それより君、指紋調べた時に出てきたが、住人票ちゃんと残したままだろ。こういうのは足がつくから早々に消した方がいい。もう手を回しておいたから、これからは安心してくれ」
べらべら喋りながら爪をいじったり髪をいじったりしている。顔立ちはすごく美形なのに、性格で損してる人間。なんだか呆れたって言うか、安心したって言うか…。
『言わないで、くれますよね…みんなには』
「ああ。約束するよ。君が死んで困るのは俺だからな。」
その言葉だけは、なぜか信用することが出来た。
70人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梅花 - こんにちは12話も最高です くるちゃんさんもこれから仲良くできたら嬉しいですお二人共これからもよろしくおねがいします (2021年9月21日 10時) (レス) id: 7df7a78d6a (このIDを非表示/違反報告)
4番くん(プロフ) - くるちゃん。さん» ありがとうございます!これからも見てくれると幸いです。 (2021年9月19日 17時) (レス) id: 2a341e36a7 (このIDを非表示/違反報告)
くるちゃん。 - とっても面白かったです! 読みやすいし 内容がしっかりしてるし、最高です! 続き楽しみにしてます! (2021年9月19日 14時) (レス) id: 653f3c1549 (このIDを非表示/違反報告)
梅花 - あひゃーペッシィィ可愛いなぁーおい 次回も楽しみにしてますね (2021年9月19日 10時) (レス) id: 7df7a78d6a (このIDを非表示/違反報告)
梅花 - あっーー10話でしたぁ 失礼いたしました (2021年9月17日 23時) (レス) id: 3d213de61e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:4番くん | 作成日時:2021年9月5日 8時