【ゴールデンカムイ】兵器な彼女2【尾形百之助】 (ページ10)

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60話。ページ10

Aside

インカラマッさんは私と尾形上等兵を見て、そして谷垣さんの方に目線を移し言った。

｢鶴見中尉を利用しただけです｣

｢...大した女だな、谷垣｣

谷垣さんはインカラマッさんの言葉に少し驚きを見せた。彼は表情に出やすいからすぐわかる。ちょっとビビってる。

しばらく谷垣さんと尾形上等兵が睨み合ってると、キロランケさんが尾形上等兵の銃を下ろさせて言った。

｢俺の指紋と一致したという鶴見中尉の情報を信じるのか？奴は俺たちが互いに殺しあうのを待っているに違いない。それにアシリパも...父親がのっぺら坊だと信じたくない気持ちは分かる。けどあの父親ならやりかねない、と。そう思ってるんじゃないか？｣

アシリパさんはキロランケさんの言葉に固唾を飲んだ。

｢...まぁ、今そんなこと言ったって確かめようがないしな。...じゃあこうしないか？もしも旅の道中にキロランケかインカラマッのどちらかが殺されたら、俺は自動的に残った方を殺す。...これでいいな？｣

杉元さんは真剣な表情で言ったが、その後｢なんてな｣と付け足し1人で笑っていた。杉元さんが言うと全く笑えない。有り得そうで怖い。

結局その後、私たちは疑心暗鬼のまんま、網走監獄へと向かうことになった。

そして、途中で盲目の刺青人皮の囚人がいると聞き、彼らを見つけるためによく出るという温泉宿へ泊まることになった。

『...たくさん歩きましたね、疲れてませんか？』

｢ああ、大丈夫だ。...にしても、こうやって建物の中で寝るのは久しぶりだな。｣

布団の上で銃を整備しながらそう呟く上等兵。そうだ、確かに今までは野宿が多かった気がする。

あ...コート脱いでる。なんだか久しぶりに見たな、隊服姿もかっこいい。

じっと見てると、彼は私の視線に気づき手招きをして私を呼んだ。

｢来い。髪の毛梳いてやる｣

彼の股の間に入ると、尾形上等兵はゆっくりと私の髪の毛を部屋の引き出しにあった櫛でといてくれた。