【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ42)

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42話。ページ42

Aside

｢…お前は勇作殿と仲が良かったはずだ……。どうしてそれなのに俺を恨まない…？｣

それでもまだ心配が残っているのか、勇作さんの話をし始めた。彼はこの話をすることで、最終的に落ち着く。毎度この話で終わるのだ。

もう何度目かも分からない言葉を繰り返す。

『もちろん勇作さんは大切な友人でした。とても素敵な方だったと思います。…けれど、彼と仲良くしたのはあなたと血が繋がっていたからです。そんな繋がりさえなければ、私はまず勇作さんと話す仲ですら無かったと思います』

こう言って、背中をさする。いつもはこれで落ち着くんだ。
けれど、今日の尾形上等兵は少し違った。初めての質問をしてきた。

｢…ほんとに、俺のことを好きでいてくれるのか。俺が家族殺しでも、…お前のことすら殺しちまうかもしれない…｣

どくん、と心臓が鳴ったが、それと同時に腹が立った。そんなところも含めて愛しているのに、どうしてそんなことを聞くの？

『尾形上等兵』

私の呼び掛けに顔を上げた彼の頭を無理やり引き寄せ、口付けをする。深くて熱いやつを。尾形上等兵はすごくびっくりしていた。

『っん、…………こんなキスも、人には隠さなきゃいけない秘め事も……全部あなたに教えてもらったんです。あなたが家族殺しなのは知ってます。私のことを殺したくなったらいつでも殺してください。あなたの手で一生を終えれるなら本望です。分かって貰えないんですか？』

｢……そう、だった。そうだったな。｣

彼は私の言葉を聞いて我に返ったのか、嬉しそうに笑った。尾形上等兵は笑うと少し幼い顔になる。

そして、私の首元に顔を埋めて首筋を吸った。ちうちうと音がして、少し痛い。その痛みさえも、彼から与えられるものだと思えばとても嬉しかった。