【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ16)

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16話。ページ16

Aside

『あッ！あれじゃないですか！？あの白い熊！あれが江渡貝弥作ですよ』

周囲の人間に訪ねながら走り、炭鉱堀場でようやく見つけた。

｢お前はあっちから回れ。挟み撃ちするんだ。｣

尾形上等兵にそう言われ、2人でじりじりと江渡貝さんを追い詰める。ようやく気づいた彼は引きつった声を出したが、撃とうとしたそのとき、彼はトロッコに連れ去られた。

『やられた...』

後ろからは、杉元と白石が2人を追いかけてトロッコを下っていた。

｢A、お前はここで江渡貝くんか月島が出てくるのを見張っていてくれ。｣

『そんな...！一緒に行きますっ...！』

｢なァ、頼むよ。もし仮に裏をつかれたとき、対応できるのはお前しかいない。分かってくれるな？｣

尾形上等兵はそう言い、最後に残っていたトロッコに乗って行ってしまった。

『行ってしまった...』

そうして出口を見張って10分くらいが経ったとき。

地面が揺れて、炭鉱からものすごい音がした。

｢おお.....今のは揺れたな...まずいぞ、ガスケだ。大非常だぞ｣

町の人達もわらわら集まってくる。

『っ尾形上等兵ッ...！』

｢おいっ嬢ちゃん危ねぇぞッ！行くんじゃねえ！｣

尾形上等兵が危ない...
走って炭鉱の中に入ろうとしたが、2人がかりで抑え込まれてしまった。

『やめてくださいっ助けなきゃ！どいて！』

｢そんなこと言ったって、アンタが死んだら元も子もねぇだろ！出てくることを祈るしかできねぇんだ！｣

『離してってばッ！』

そう暴れていると、別の方向から大きな物音。はっとして見ると、牛山さんが杉元と白石を連れて出てきていた。

駆けよると、近くにアイヌの男と女の子もいた。

｢あれっ君...どこかで会ったことあるような...｣

そう杉元に声をかけられた。確かに彼とは203高地で共に戦った。けど、よく覚えていたな。私が女だから？

｢それに...なんであんたがこんなところに...｣

杉元が牛山さんにそう言うと、牛山さんはこう言った。

｢夕張に来た連れを探しているんだがな。探していたらお前らがトロッコに乗るのを見つけたんだ。｣

『牛山さんっ尾形上等兵はッ...』

すると、急に肩が重くなった。

｢あれ...お前、鶴見中尉の...｣
杉元の声にハッとして後ろを見ると、私の肩に肘をかける尾形上等兵。顔はすすだらけだったが、目立った傷はなかった。

｢仕方ねえ、そいつら連れてついてこい｣