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「タマ、家で休んでく?」
「んー・・・ミツんちで寝てく」
暦は3月となり、春休み。
玉森と同じ居酒屋でバイトをしていた。
俺らは今ランチの時間を終え、夜までの合間の時間、近くの俺のアパートで休もうと店を後にし歩いていた。
実家からも大学へと通えたけど、母ちゃんの負担になりたくないことから奨学金制度を利用し、バイト代とで一人暮らしをしていた。母ちゃんは少し寂しがっていたけど、意外と悠々自適に過ごしているみたいだった。友だちとよく旅行にも行ってるし俺の選択は間違ってなかったんだと思える。
学生割引もきいて、おんボロアパートで1Kの家賃2万5千円だ。
住めば都ってやつだ。
このアパートはほとんどが学生で埋まっており、隣の部屋のお兄さんは晴れて卒業し、就職のため出ていった。次は家賃10万以上のところに住むらしい。なんて大出世なんだ。と、希望をいただいたことに感謝している。
「あれ、なんか…トラック止まってない?」
「あー、引越し業者のロゴだ」
「本当だ。そーいえば、ミツの隣り出ていったんだっけ?」
「そうそう。ってことは、お隣さん?マジかよ。挨拶しなきゃ」
「向こうからくるでしょ。それよりウチらは早く寝よ。夜またもたない」
「へいへい」
隣りなのか、そうじゃないかはまだ分からないけど。一応2階が自室のため、セキュリティもなにもない階段を上がっていく。後ろのタマが早く〜と背中を押してくる。
あぶねっ、
手すりも危ういんだから。急かすなよ。
と悪態は飲み込んで先を急ぐ。
階段を上がりきり、2階の住民しか通らない小汚い共同廊下に足をつけると、目線の先には人がいた。
俺の奥の部屋。隣の部屋。角部屋。
すべて同じ部屋。
そのドアの前にいたのは、
「ふ、じ、が・・・や.....?」
時間が止まる。
誰でもない。あの日、勝手にいなくなった藤ヶ谷だった。
時が経っても覚えてる。
ひと目でわかる。
ずっとずっとずっと待ち焦がれてた人。
あの、約束が俺の支えだった。
迎えに来てくれたんだな、やっと。
あの日、送られてきたおまえからの手紙。
その言葉を支えに生きてきた。
「え、誰だっけ…?」
それなのに、おまえの口から発せられた言葉は残酷な言葉だった。
・・・誰、?
嘘だろ・・・
俺、多分だけど
そんなに変わってねーよ?
ちょっと、待て。
ヤバい。
「おっと、ミツ。大丈夫?」
倒れそうになったところをちょうど後ろにいたタマに支えられた。
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もも(プロフ) - ひーさん» ひーさん こんばんは!ありがとうございます!昨日の約束ご覧頂き感想まで頂き嬉しいです。泣いてくださったんですか!?ありがとうございます(/ω\)ほんの些細なことからすれ違ってしまった二人ですがラブラブになり良かったです。こちらこそありがとうございました! (2018年6月25日 19時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - こんばんは!「昨日の約束」凄く素敵でした!!2人がなんでこんなに結ばれないのか、、、みっくんの気持ちを考えるとなんだか泣けてきて、、、でも、2人の気持ちが繋がった時になんだか更に泣けてきて、、、ほんと楽しく読ませて頂きました!!ありがとうございました! (2018年6月24日 22時) (レス) id: 4d3a8a875d (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - puuさん» puu様ありがとうございます!なんとか完結致しました!イチャラブエンドに出来てましたでしょうか。次回作も是非ご覧頂けると嬉しいです。 (2018年5月16日 0時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結おめでとうございます!玉さんとの約束も守りつつの藤北いちゃラブエンドで読んでて幸せでした!!おまけもあったけど、まだ続きが読みたいです!!次作の北さんに甘い藤さんも楽しみにしております。 (2018年5月15日 23時) (レス) id: a8da905861 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ともさん» とも様 いつもご覧いただきありがとうございます!更新を楽しみにしていただき嬉しいです。ただ、申し訳ございません( .. )リクエストはお応えできる自信がないです。もしよろしければこんな作者ですがこれからも宜しくお願いします<(_ _)> (2018年5月12日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月3日 9時