孤独に泣くのは許さない ページ5
『おれっ、バカだから……何も出来なくて……！お前らの力になりてぇのに、っ何も……！』
「……」
澤村は襟から手を外し、叶多の頭に手を置いて自分の肩に押し付けた。
『っ……！ぅ…あ……っ』
涙が箍を外したように止めどなく溢れる。澤村の肩口を濡らした。
「何の為の仲間だと思ってんだ……」
菅原と東峰も、叶多の両肩に手を乗せる。一瞬肩が上がり、そして震え始めた。
〈人間は、そう簡単に独りになったりはしないんだよ。ばあちゃんが家を出た時も、じいちゃんがずぅっと傍に居てくれたからね。だから─────
叶多くんも、独りじゃない〉
懐かしい、大好きな祖母の声。
祖母の生前は、孤独なんて感じてなかった。幸こそが叶多の全てであったから。だから、目の前から居なくなってしまった時は、喪失感だけが残った。1人で埋めるには大きすぎる穴を、どうにかして埋めようと必死で。そんな時、ふと思ったのだ。
自分は孤独なんだと。
誰も頼れず、信じられず、1人で何とかするしか方法は無い。
烏野でのバレーは、ほんの少しだけそれを忘れる事が出来た。満たされた訳ではなかったが、気が楽になっていたのは事実だ。
あぁ、そうか。〈独りじゃない〉って……こういう意味だったんだな。ばあちゃん。
嗚咽は次第に大きくなり、叶多は幼子のように声を上げて泣いた。
気付かないふりをしていた自分が間抜けに思えてきて。
蔑ろにしてきた友人らに申し訳なくて。
祖母の大事な言葉を忘れていた自分の愚かさを恥じて。
プライドも体裁もかなぐり捨てて、自分を見てくれている仲間に縋り付いた。
忘れていた。この存在がどれだけ大切か。気付くことさえ出来ていたら、こんなにも満たされるという事を。
他者を傷付けてまで自分を守ろうとした。自分を傷付けてまで他者を守ろうとした。
どちらも守りたい。どちらも傷付けたくない。なら、どうすれば良かったのか。
答えは実にシンプルだった。
「仲間だから……信じてくれよ」
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すみた先生(プロフ) - ぁさん» ありがとうございます！次から続編に移行しますので、そこでも頑張ります！更新遅いですが、出来れば読んで行ってください！ (2022年1月28日 17時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぁ - 更新頑張ってください！ (2022年1月28日 0時) (レス) id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 千椛さん» ありがとうございます！なるべく早く更新します！！待たせてしまい申し訳ありません！ (2021年10月21日 21時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新待ってます！ (2021年10月21日 6時) (レス) @page31 id: 23dec5609f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 青丹色さん» ありがとうございますっ！クオリティ落ちないように頑張ります！ (2021年8月18日 8時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年8月6日 23時
