空言 ページ4
「そんな事ない！！お前は必要無い人間なんかじゃ」
叶多は首を緩く振る。そして、雫を飛ばして焦点の定まらない目で縋るように澤村を見た。
『俺なんか居なくてもお前らはバレー出来んだろ……？お前らは……俺に何も出来ねぇ……
全部、全部……俺一人でやるしかない』
「っ……なんで頼ってくれないんだ！」
『お前らに何が出来んだよっ！？何も出来ねぇ、俺の事情に首突っ込んでいい人間じゃねぇんだよお前らは！』
「首突っ込むつもりはない！お前の話し相手になりたいだけなんだよこっちは！お前が一言でも俺達に話してくれりゃあ、楽になるかもしれないだろ！」
『そんなの一時的なものでしかねぇだろ！時間の無駄なんだよっ』
もはや涙を隠そうとはしない。
否。叶多は自分が泣いていることに気付いていないのだ。
涙とは、どんな言葉よりも感情を雄弁に語る。
「寂しいなら……寂しいって言えよ……！」
『！……っ』
今まで、何度だって零してきた。決まって1人の時、その時だけは、弱音を吐くことを許した。ただそれだけを、最大の譲歩として。
自分を守りたい。他人を守りたい。その為には、誰かを傷付けなければならない。
俺だって人間なんだから、心ぐらいある。
傷付いた顔を見る度に、傷付ける言葉を吐く度に、どうしてこんな事しか出来ないのかと自己嫌悪に陥り、こうなったのは自分のせいじゃないと他者を恨み、生かしてくれた祖母への罪悪感で、心の底から泣き叫びたくなる程に辛く苦しい。
己を形成する全てが嫌いになって、どうしようもなく生きているのが辛くなった。毎日、毎日、夜が来る度に、なんて孤独なのだろうと。
「叶多！……もう、嘘つかなくていいから……！」
気付いていたはずなのに。
自分の気持ちにも、自分を見てくれている存在にも。
『っ、ずっと……寂しかった……！！』
友人を蔑ろにして、自己を守れようか。自己を蔑ろにして、友人を守れようか。
ならどうすれば良かったのか。
どちらも守りたいのに、叶多には方法が分からない。
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すみた先生(プロフ) - ぁさん» ありがとうございます！次から続編に移行しますので、そこでも頑張ります！更新遅いですが、出来れば読んで行ってください！ (2022年1月28日 17時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぁ - 更新頑張ってください！ (2022年1月28日 0時) (レス) id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 千椛さん» ありがとうございます！なるべく早く更新します！！待たせてしまい申し訳ありません！ (2021年10月21日 21時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新待ってます！ (2021年10月21日 6時) (レス) @page31 id: 23dec5609f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 青丹色さん» ありがとうございますっ！クオリティ落ちないように頑張ります！ (2021年8月18日 8時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年8月6日 23時
