第三者の葛藤 ページ12
「大分傷治ってきたな」
『まぁな。まだ頭ぐらつく時あっけど』
早朝の校門前。今日から東京合宿、春高予選前の最後の合宿になる。
叶多は大きく欠伸をしながらバスに乗り込んだ。そして例の如く旭の隣を陣取った。
『旭ぃ……停まったらおせーて』
「あ、うん。寝る？」
『おう……ねみぃんだわ……』
目を閉じてすぐ眠ってしまった叶多。
「なぁ大地」
「ん？」
「叶多、ちょっと甘えたになったよな」
スガがニヤつきながらコソッと話しかけてきた。俺は返答に困り言葉を詰まらせた。
「あんなでっけー奴が子供っぽくなんの見てて楽しいんだよな。まぁそれも、この前のやつがあったからなんだろうけど」
「……そうだな。やっぱりぶつかって正解だった」
「あんな激突したの1年の時以来だからな〜さすがにヒヤッとしたわ」
「うん……あれしかやりようが分からなかったから」
「……俺も、言ってやりたかった」
窓の外に目を移してスガは寂しそうに言った。
「でも……怖かった。叶多を傷つけるのも、友達に戻れなくなるのも。だから、言えなかった。……ずっと、4人を繋ぐ事だけを考えてたから」
「！」
……そうだ、俺だけじゃない。他の奴らだってずっと耐えてたんだ。特にスガや旭は……
「でも……あれだな。多分大地にしか出来なかったんだと思う」
「え？」
「俺とか旭だったら途中で腰が引けてたと思う。その点大地は、やるってなったら最後まで変わんないし。あんな暴れまくってる叶多の相手出来んのは、肝が据わってる大地くらいだろ」
「そ、そうか……？」
「今の叶多にだったらいくらでも馬鹿野郎って言えるけどな！
今までの俺らの気持ちを代弁してくれたのが大地だった、そういう事だ。感謝してるよ」
穏やかに笑ってスガは言った。俺はまたも大した返事が出来ず、でもスガは気にしてないように寝た。それを見て、まぁいいかと俺も目を閉じた。
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すみた先生(プロフ) - ぁさん» ありがとうございます！次から続編に移行しますので、そこでも頑張ります！更新遅いですが、出来れば読んで行ってください！ (2022年1月28日 17時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぁ - 更新頑張ってください！ (2022年1月28日 0時) (レス) id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 千椛さん» ありがとうございます！なるべく早く更新します！！待たせてしまい申し訳ありません！ (2021年10月21日 21時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新待ってます！ (2021年10月21日 6時) (レス) @page31 id: 23dec5609f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 青丹色さん» ありがとうございますっ！クオリティ落ちないように頑張ります！ (2021年8月18日 8時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年8月6日 23時
