92発目 ページ9
「おう、起きたか」
目を開けると、壁に寄りかかって座るQUEENがいた。手足は縄で縛られている。
まぁかくいう私も同じ状況なのだが。
『してやられたな』
「幹部総出で来るなんて予測出来ねぇだろ」
『ほんとムカつくよ……KING』
白く四角い部屋の中、一角に取り付けられた監視カメラを見上げた。
「もうどっかと手ぇ組むのやめようぜ。毎度こんなんじゃめんどくせぇだけだ」
『……今回は相手が悪かった』
「Leafに関わったのが尽きだったな」
『いいや。それもあるけど、少し違う』
「あ？」
何とか起き上がって、座りながら監視カメラを見続けた。
『そこで見てんだろ？
クロ』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「あちゃー……バレてましたか…」
「じゃあ行こうかクロくん」
「しゃーねぇな……」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「……どういう事だ」
「見ての通りだけど？」
目の前にはKING、クロという異様な組み合わせ。
「いつから気付いてた？」
KINGは余裕の笑みで私に目を向けた。
『……いつからだと思う？』
「……強気な女の子は嫌いじゃないよ」
ここまでバレてるか……
「性別……年齢、本名まで行くと流石に無理だけど、お前が女だっていうのは知ってる」
「クロにでも聞いたか」
「いいや？寧ろ彼に教えたのは俺だから」
「！」
「それで？いつから気付いてたの？」
『……ノッポとピンク頭とセンター分けが工場に来た時』
「ふーん……なんで？」
『しつこい男は嫌われるよ』
「……確かにそうだね」
「おい、そこのクソネコ」
「クソ呼ばわりはひでーな」
「なんで俺らを……」
「裏切った？」
KINGが楽しそうに言った。
そしてその隣でクロが冷たく私達を見下ろす。
「裏切ったも何も、元からお前らとは仲間じゃない。これは最初から仕組まれてたんだよ。
お前らは、KINGの手の上で踊らされてたんだ」
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年4月10日 18時
