98発目 ページ15
「はぁ……JACK……確かにお前の言う通りだ。"武器はどこにあるか分からない"だっけ。そう……武器ってのは晒して脅しに使うこともできるし、こんな風に隠し持って機を待って土壇場において使うこともできる。
自分のアジトでは銃なんか持ち歩かないと思った？」
袖から取り出したのは小銃。
白い床に鮮血が広がる。クロは動かない。
「死んじゃったかな……」
慈悲の目で倒れるクロを見下ろすKING。
「結果的に彼は俺の理解者ではなかったけど、まぁ割と良い仕事してくれたし。形だけ感謝はしとこうかな」
またも挑発的な目をこちらに向けたKING。
『……、？…………あぁ、そうか。
あんたは最初からこうなる事を見越してたワケだ。Catがうちに接触するよう仕向け、わざと監視もしないで裏切りのチャンスを与えた。
やっとあんたの狙いが分かったよ。QUEENの引き抜きなんて後から思い付いただけなんでしょ？
本当の目的は、クロを殺すこと』
「ん〜……半分正解ってとこかな。正確にはファミリーボスを殺す、だ。じゃなきゃ、CatとPhoenixを接触させたりしない。普通に暗殺を取るね。
俺は、クロくん、そしてJACK、お前を殺したくて今回手を出したんだよ」
……さっきの爆破から約5分。
パーフェクト。時間稼ぎも十分。
『……QUEEN』
「おう、任された」
QUEENは前に出て、KINGと対峙した。
「何？」
「てめぇには少し寝ててもらおうと思ってな」
QUEENは右拳を振りかぶり、KINGの顔面目がけて突き出した。
KINGは当然のようにそれを止めようと上半身を動かした。しかし、QUEENの拳はKINGに止められる前に下ろされ、QUEENは姿勢を落として足払いをする。
「単純だよ」
それすら読んでいたらしいKINGは、体を捻りながら跳んだ。
『バカだなぁ』
「は？……っ！！」
私の言葉のコンマ数秒後、KINGの首筋にQUEENの手刀が入った。
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年4月10日 18時
