97発目 ページ14
「悪ぃなKING。でもこんなのいつもの事だろ？」
「……確かに、裏切りに何か思う訳じゃないね。俺が全面的に信頼する人間なんか1人しかいないし」
『たまには信じる人間を増やしてみればいい。信じるってのは大事なことだよ』
「カタギでもない人間が何を言ってんのさ。
過度な信頼の先に待つのは破滅。それは3人もよく分かってるはずだけど？」
「……話は終わりでいいか？」
クロは銃口をKINGに向けた。
『あぁ1つだけ。
あんたが今持ってる小型発信器、悪いけど使えないよ』
「！」
『私を運んだのが紳士で残念だったね。身体中弄られてたら危なかった』
KINGの目線は私の右手に注がれていた。
「……そのスマホが第3の武器ってことか」
『そういう事。大方その発信器で仲間を呼ぶか、壁から銃器でも出そうとしたんだろうけど……生憎システムはこっちの物になってる』
とは言っても一時的にシステム管理者をアスターにすげ替えただけ。保ってあと……10分。KINGを退け、この建物から脱出する。当然行く手にはKINGの仲間もいる訳で……さてどうしようか。
頭と口を同時に回す。
『機械の隙は人の隙……ってね』
「JACK、いいな」
『……どうぞ』
クロは引き金に指をかけ
───────────引いた。
1発の銃声の後、私とQUEENが止まったのは
銃声を感じた耳のせいでも
硝煙を感じた鼻のせいでもなく、
目を見開きながら倒れるクロを映した目のせいだった。
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年4月10日 18時
