96発目 ページ13
KINGは耳に手を当てて、機械越しの仲間に言葉を吐いた。
「状況は。…………そ。早く対処して。手こずる訳ないよね？」
そして冷たい目を私達に向けた。
「何したの」
『何もしてない。私はね』
「……別に何だって良いけどさ。
たった今、外が爆破されたみたいだけど……それが何？外に出る穴が開いたとしても、そこまで行けなきゃ意味無いよね？第一、そっちは2人。ここにはクロくん含め何十人もいる。いくらQUEENが強くても、相手ができる数は限られるよね」
「チッ……」
『……ｸｸｯ』
「……何がおかしいのかな」
『ん？あぁ……いや、あまりに自分に酔ってるなぁと思ってさ』
「……どういう意味？」
『KING……お前はもう1人ここに連れて来るべきだった……』
あぁ可哀想だ……こんなにも用意周到に私を嵌めてくれたのに……最後の最後で私に勝ち逃げされるなんて……可哀想で仕方ない……
『さっきので分からなかったか？
武器はどこにあるか分からないんだって……例えば、
お前のすぐ後ろ、とか』
「！……クロくん……まさか裏切った？」
KINGが振り返ると、拳銃片手に立つクロがいる。
「裏切った？……俺は端からお前の仲間じゃねぇんだけど？」
「っ……なるほどね。最初からそっちが仕組んでた訳だ」
「やっと気付いたか……
俺はな、そいつに言われたんだ」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『クロ』
「……なんだ」
建物から先に出たQUEEN。JACKはそれを見送って引き返してきたそうだ。
『Leafとは手を組まない方がいい』
「！」
『なんで気付かれないと思ったのかは知らないけど……Leafと組めば間違いなく破滅するよ』
「……なんで分かる」
『Leafに比べてCatは人数が少ない。力量も違う。後々この事を逆手に取られて吸収されるだけだ』
「……っ」
『"金がない"……"人がいない"……金さえあれば人も集まる。Leafと組めば金も貰える。
その考え、私が覆してやるよ』
「じゃあ何か？あいつらより多い金が出せるって言うのか？」
『そうだよ』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「……結局金ってことか」
『逆にそれ以外にこの仕事続ける意味ある？』
「金が無きゃ生きていけねぇ世の中で、大義なんかクソ喰らえなんだよ」
『KING、お前は1つだけ間違えた。
買収するなら誰よりも良いエサを用意することだよ』
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年4月10日 18時
