○Happy Birthday 【Ryo】 ページ4
彼の12時ぴったりにお祝いしたい。
電話やラインなんかじゃなくって、面と面向かって。おめでとうって。
り「バカ嬉しいけど俺門限あるからなぁ」
「...なんなの？中学生なの？」
そうだ彼は今門限がある。
幼馴染の彼の誕生日は毎年お祝いしてたのになぁ、と悲しく思う。
り「じゃあうちくる？久しぶりに泊まってきなよ」
て「まてまてまてぇい！！聞き捨てられん！！」
虫「幼馴染なんだからお泊りくらい聞き捨てなさい」
と「いや！！誕生日という大切な日を過ごすなんて！けしからん！」
「幼馴染なんだから大切な日も側にいたいの！」
...しまった。なかなか恥ずかしいこと言っちゃった。
り「なんか今日可愛いね」
「うるさい、ケーキ買わんぞ」
り「とか言って自分が食べたいから買っちゃうくせに」
何年間も一緒にいるせいか、なんでもお見通しなようだ。「じゃあ俺ら帰るから」と笑うりょうくんに手を引かれ、彼の家へと。
途中で小さなお菓子屋さんによって、2人で食べ切れそうな大きさのケーキを購入。
といってもほとんど私が食べちゃって、それを笑ってみてくれてるてのが毎年の流れ。
「おじゃましまーす！」
り「どーぞ」
意外と帰るのが遅くなっちゃったなあ、と時計を眺める。りょうくんと話すと時間があっという間だから、きっと12時まですぐだろう。
台所を借りて、冷蔵庫にあるものでご飯を作って食べ、お風呂に入って、いつものようにパジャマはりょうくんのものを借りる。あ、もちろん下着は持参したやつ。
り「相変わらずぶかぶか」
「りょうくんのサイズでかすぎなの」
Aがちっちゃいんだよ、と笑う彼は、時計を見て、「もう少しだね」と呟く。
さっき買ったケーキを取り出して、ロウソクに火をつける。
12時ぴったりに消すお約束。
「なんかドキドキする笑」
り「毎年やってるのに？笑」
「うん。(笑)、ってやばい！」
そんな慌て具合に笑ってるりょうくんは、
「3、2、1」
に合わせて火を吹き消した。
「りょうくんおめでとう！」
り「ありがとう」
○Happy Birthday Ryo ！
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作者名：かたつむり | 作成日時：2019年6月8日 8時
