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No.81 ページ31

「……うん、待ってるかもしれないから」



「……妬いちゃうなあ。

私という彼女がありながら」


笑いながら言う川波さんの真意は見えない。



「単に心配なだけだよ」


「……でも、

目黒くんが木ノ下さんを気遣う必要はないんじゃない?」



依然、笑顔のまま川波さんは言う。



「だって向井がいるんだから。

あんまり心配すると迷惑だと思うよ?」



確かに、と思う。


「それに……


私もちょっと嫌だな」


笑顔を崩すことなく、川波さんは呟く。


俺は言葉を探す。


確かに、そうだ。


俺が木ノ下さんを心配する理由はもうすでにない。



だから、関わる理由がないのだ。



「………いいよ。


川波さんが、そう言うなら」



嬉しいと笑う川波さんに、俺も笑いかける。




――痛む何かには、気付かないまま。

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作者名:いちご | 作成日時:2020年2月11日 11時

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