それでも好きになった。② (ページ13)

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No.63 ページ13

目黒くんを探そうとまず玄関で靴を確認する。

幸いにも、今日はまだ帰ってはいないようだった。

いるとすれば教室だろうか。

そう思って駆け出す。

……教室の扉を開けると、外を眺めている目黒くんがいた。

私に気付いたようで、視線を向けている。

……顔を合わせたのはいつぶりだろう。

「目黒くん――久しぶりだね」

少し、声が震えた。

「……そうかもね。

全然話してなかったから。

……それより木ノ下さんがこんなに遅くまで残ってるなんて、珍しいね。

――何か用事でもあったの？」

探るような物言いで、妙に機嫌が悪いことに気付いた。

……川波さんと何かあったのだろうか。

「……ちょっと康二くんに用事があって」

私は気まずくて視線から逃れようと外を眺める。

「……目黒くんも、珍しいよね。

川波さんと一緒に帰らなくていいの？」

そんな言葉を言って、苦しくなる気持ちに蓋をする。

返事がないので振り向くと、

すぐそばまで目黒くんが迫っていた。