THIS CRAZY LOVE

告白 ページ17

「…いらっしゃい」

藤ヶ谷が来て、私はドアを開ける。

休日の藤ヶ谷の服装なんて、学生以来だ。

おしゃれ、その一言に尽きる。

「今まで、裕太に遠慮するから部屋には行かないって言ってたくせに。」

嫌味っぽく、皮肉っぽく私が言うと藤ヶ谷は微笑んで、

「もう遠慮することもなくなったしね。」

そう言いながらソファに座った。

ここ最近、私より藤ヶ谷の方が裕太の予定を把握している。

そんな気がする。

「なあ、お前の不倫相手ってどんな人？なんて名前？」

「…なんでそんなこと言わなきゃいけないの。」

素っ気なく言い返すと、思いがけない返事が来た。

「俺のライバルじゃん、そいつ。」

「は…！？」

藤ヶ谷は私を壁に押し付け、壁ドンをする。

逃げ場なんてない。

「キスをした。もう立派な肉体関係じゃん？

それとももしかして…」

藤ヶ谷は私の耳元で囁いた。

「ヤらなきゃ、不倫カウントしないの？お前の中では。」

びっくりして、彼を突き飛ばす。

でもそんなんじゃ離れてくれなくて、私の手首を掴んだ。

逃げられない。

動けない。

「なあ、」

「ふじがや、やめてっ…」

「聞けよ、」

「やだ…っ」

拒む私をもう一度壁に押し付けて、私の目を真剣に見つめて言った。

「…俺、ずっと学生時代からお前が好きだったんだ。」


一瞬、時が止まったような気がした。

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