検索窓
今日:1 hit、昨日:49 hit、合計:101,415 hit

902号室 ページ12

「…っふじかや、」

びっくりして藤ヶ谷から逃れようと身をよじる。

「…これで俺らも、立派な不倫関係だね、」

そう呟く顔が、なぜかどこか悲しげに見えた。

「藤ヶ谷…?」

私から目を逸らす。

9階に到着し、エレベーターが開く。

そこにいたのは、


「…Aと、太輔、?」

「ゆうた…!!」


私の旦那、玉森裕太だった。



「今日帰ってくるなんて、知らなかった。」

微笑みながらワインをグラスに注ぐ。

3人で囲む食卓なんて異様すぎて、不自然さが極まりなかった。

裕太の帰る日さえも知らない、気にも留めなかったわたしには、きっともう愛情なんてないのかも知れない。

そう、心のどこかで感じながら。

「ねえ、A。指輪見つかったの?」

睨みつけるように、それでいて冷たい目に、私はヒヤッとした。

まずい、見つかってないのに…

私が冷や汗をかいていると、藤ヶ谷が口を開いた。

「なんか、部長が指輪見たって言ってたよ。お前もうオフィス出てたから知らないと思うけど。」

ワインを飲みながら、アイコンタクト。

「…あ、そうなんだ!よかった!」

私も即座に、何もなかったかのように切り返す。

「ふーん…。A、なんで失くしたの?」

冷たい空気が流れている。

裕太がこうなると誰も止められない。それは誰よりも知っている。

「俺たちの、大事な、証明だよ?わかってるよね?」

イラついているのが嫌なほどわかる。

「、ごめん、なさい。」

こうなってしまった裕太に、私は何も言えない。謝る他には…。

「ごめんなじゃないじゃん、なあ!?」

机をバンッと叩く。そのまま私に掴みかかった。

「お前!!!」

服が伸びる音がする。

私に掴みかかる裕太を、藤ヶ谷が抑えてくれる。

「…っごめんなさい…」

涙声で、うまく声が出ない。


最悪の状況。

その時だった。


ピーンポーン…

家のチャイムが鳴った。

愛→←夜の街



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (91 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
376人がお気に入り
設定タグ:Kis-My-Ft2 , 北山宏光
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミムラ(プロフ) - なおちゅけさん» ありがとうございます。W不倫ですか…面白いですね!希望のメンバーいますか? (2019年9月30日 21時) (レス) id: 4eee019b1c (このIDを非表示/違反報告)
なおちゅけ - 面白かったです!いきなりのリクエストごめんなさい。W不倫で書いてくれませんか? (2019年9月1日 22時) (レス) id: d14129f611 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - ボードに送っても大丈夫ですか? (2019年7月17日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ミムラ(プロフ) - ともさん» こんばんは。ありがとうございます!大丈夫ですよ (2019年7月17日 0時) (レス) id: 4eee019b1c (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こんばんは!いつも楽しみにしてます!リクエスト大丈夫ですか? (2019年7月17日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミムラ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年7月15日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。