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A「もう動いていいの!?」

時透 「うん。今日から訓練するから。」

A「待って!?早すぎない!?」

時透 「柱をなんだと思ってるの。」


いや、柱でも早すぎでしょ。


時透 「…A。俺、




記憶が戻ったんだよ。」







A「…嘘!?」

時透 「本当に。」


その証拠を示すように、
時透君は私に自分の過去を語ってくれた。

双子のお兄さん、両親のこと、

鬼に殺されたときのお兄さんの言葉。


全部、話してくれた。




A「…そうだったんだ。」

時透 「…うん。

それで…。

言いたいことがあるんだけど…。」

A「?

…ッ!ゴホッ!ゴホッ!



…何?」

時透 「A!?」


どうしよう。

服に血が…。


というか今、時透君に見られたよね?


時透 「大丈夫!?」

A「うん…ゲホッ!」


咳が止まらない。

早く止まって!


胡蝶 「A!」


私の咳が聞こえたのだろうか。

胡蝶さんが駆けつけてくれた。


胡蝶 「A、こちらを飲んで…。」


胡蝶さんに差し出された薬を飲む。

少しだけ咳がおさまった。


A「…すみません。」

胡蝶 「いいえ。


…時透君、Aに異変があれば、
すぐに私を呼んでください。」


時透 「?はい。」


胡蝶さんは、病室から出ていった。


時透 「…僕がいない間に…



何かあったの?」

A「…うん。」


私は、時透君にあの日の出来事を話した。

時透君に叱られる覚悟で。




時透 「…本当に馬鹿。」

A「…。」


時透 「…それって本当に治らないの?

見込みはないの?」

A「…わからない。」



すると時透君は、下を向いた。
目から何かがこぼれていた。

涙だ。


私のために…泣いてくれてるの?






時透 「ねぇ、なんで君がそうなったの?




他の人で良かったでしょ。



なんで君が命の危険にさらされないといけないの。






なんで神様は






…僕の大切なものばかり奪おうとするの。」

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作者名:照山紅葉 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月1日 0時

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