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鉄穴森「中には時透殿に渡す刀もあります!

それを持ってすぐに里長の所へ向かってください!」



時透 「いや駄目だ。」


鉄穴森「え?何すか?」


僕は彼の襟を引っ張る。


時透 「来てる。」



?? 「よくぞ気づいたなあ。さては貴様、柱ではないか。」


ほら…また気持ち悪いのが来た。

しかも上弦。


?? 「そんなにこのあばら屋が大切かえ?こそこそと何をしているのだろうな。」



…A、ごめんね。

僕、多分

無傷では帰れないかもしれない。


もう少しだけ、待ってて。



〜A視点〜


A「ゴホッ!…うう…。」

神崎 「大丈夫ですか!?」


アオイさんに薬を飲ませてもらっている。

食欲もない。

早く帰ってきてよ…時透君。


アオイ「…お店は辞めたほうがいいのでは…。」

A「…いえ。

彼らのくつろげる場所を与えることができるのは…

私だけですから。」


お館様からも言われた。

 
お館様『…あまり、無理をしないでね。

…君は…命をかける必要がない。

どうしてもやりたいのなら、やっていてもいい。

だが、どうか…元気でいてくれ。


君には、笑顔でいてもらわないと困るからね。』


お館様だって、
ご病気が進行しているのに、

私のことばかり気にかけてくださる。


私も、まだ死ぬつもりはない。

私は元気でいますから、

お館様もどうか…お元気でいてください。


アオイ「…一日に一度、カナヲを寄越します。

今日みたいに辛くなったら、いつでもこちらに来てください。」


今日もいつもどおりに店をやっていて、

急に吐血して倒れた。

たまたまお客さんがいたから助かったけど、

もし一人だったら大変なことになってた。


A「ありがとうございます。アオイさん。」

神崎 「いえ。

もう長い付き合いなんですし、遠慮なんてなさらないでください。」

A「そうします。」


相変わらず硬いけど、

アオイさんは優しい。


神崎 「今、しのぶ様が研究して薬を開発中なので、

それまでは頑張ってください。」

A「そうですね。


頑張って生きないと。

時透君がせっかく帰ってきても、

私が死んでたら悲しみますものね。」

神崎 「霞柱様だけではありません。

私やカナヲも、しのぶ様も、みんなが悲しみます。

だからどうか、無理はしないでください。」


A「…はい。」

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作者名:照山紅葉 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月1日 0時

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