応援しかできませんが…。弐【時透無一郎】 (ページ40)

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早く行かないと。

時透「僕はもう行くから勝手にして」

小鉄「待って、鉄穴森さんも襲われてるんです！」

…助けるべきなんだろうけど…。

小鉄「鋼鐵塚さんが刀の再生で不眠不休の研磨をしてるからどうか助けてください!

少しでも手を止めてしまうともう駄目なんです、どうか…!!」

時透「いや僕は…。」

　『君は必ず自分を取り戻せる、無一郎。』

ふと、お館様の言葉がよみがえってくる。

頭に痛みが走る。

　『混乱しているだろうが今はとにかく生きることだけ考えなさい。

　生きていればどうにかなる。

　失った記憶は必ず戻る、心配いらない。
　きっかけを見落とさないことだ。』

　『ささいな事柄が始まりとなり君の頭の中の霞を鮮やかに晴らしてくれるよ』

小鉄「うわああ!ちょっ!ちょ!」

僕は小鉄を肩に担いで、走り出した。

小鉄「もうちょっとゆっくりで!!

あともうちょっとだけ!」

時透「喋ってると、舌噛むから。」

これは正しいのかな？

こんなことしてたら里全体を守れないんじゃ…。

いや、できる。

僕はお館様に認められた

鬼殺隊霞柱、

時透無一郎だから。

再び出てきた魚の化け物の首とツボを斬る。

　「おおっ!時透殿!

　これはありがたい!

　瞬きをする間に斬っている!」

小鉄「鉄穴森さん!」

この人が。

時透「あなたが鉄穴森という人？

俺の刀用意してる？早く出して」

鉄穴森「おやっ！これは酷い刃こぼれだ！」

時透「だから里に来てるんだよ。」

まぁこれ、あの絡繰人形から貰ったやつだけどね。

鉄穴森「なるほどなるほど。

では刀をお渡ししましょう。」

時透「随分話が早いね。」

小鉄「良かったですね。感謝したらいいですよ。」

鉄穴森「炭治郎君に頼まれていたんですよ、
あなたの刀のことを。

そして、あなたをわかってやってほしいと。」

炭治郎？

炭治郎…ああ、さっき鼻つまんだあの子か。

時透「炭治郎…炭治郎が…。」

鉄穴森「だから私は、

あなたを最初に担当していた刀鍛冶を調べて…

あっ、そうだ！

鋼鐵塚さん！！」

その人を助けてほしいんだったね。

鉄穴森「良かった！！

魚の化け物はいない！！

あの小屋で作業してたんです！！」

…あ、待って…来てる。