64 ページ21
翌日。
いつものように、時透君と店でのんびりとしていた。
でも、やっぱり悲しいことに変わりはない。
本当の兄のように思っていたから。
あの時、竈門君が言っていたことは、どういう意味だろう。
「愛している。」
年下の妹としてそう言ったのではない気がする。
普通なら、愛しているだなんて重い言葉使わない。
じゃあ、私に恋心を抱いていたと言うの？
ありえない。
そんな仕草見せなかったし、
そもそも私みたいな女子は一番可愛げがないもの。
そこらへんの女の子たちよりも可愛げがないと思う。
もっと女の子らしい反応ができるといいんだけど、
意識してやるというのもなかなか難しい。
あまりお洒落もしないし、
それ以前に容姿が醜すぎるから、そんなことしても似合わない。
だから、煉獄さんは、私を年下の女の子としてあんなこと言ったんだと思う。
…でも、もし違うとなったら？
煉獄さんが、本当に伝えたかったことは？
もう会えないんだから、真実を知りたい。
どうしたらいいのかは分からないけれど。
時透 「…A？」
A「…あ、うん。何？」
時透 「大丈夫？」
時透君は心配ばかりしてくれるなぁ。
嬉しいけど、逆に申し訳ないかも。
A「大丈夫だよ。」
時透 「…本当に？」
A「…え？」
急に彼の声が低くなったから驚いた。
しばらく黙っていると、ガラッと扉が開いた。
宇髄 「よお！A、時透！」
A「宇髄さん！」
時透 「…。」
時透君は相変わらず覚えてないみたい。
…宇髄さん？
宇髄さんって、煉獄さんと仲良くなかった？
私は、時透君の隣に腰掛けた宇髄さんに尋ねた。
A「…宇髄さん。」
宇髄 「？どうした？」
A「…聞きたいことがありまして…。」
本人がいない今、真実を知っていそうな人物に聞くしかない。
A「…煉獄さんに、『愛している』と言い残されたのですが…。
意味がわからなくて。ご存知ですか？」
すると、宇髄さんだけでなく時透君まで、眉を動かした。
宇髄 「そのままの意味だ。」
A「だからそれってどういうことなんですか？」
宇髄 「どうもこうもねぇだろ。
アイツは、お前に派手に恋してたってことだ。」
A「…恋！？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
