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…煉獄さん。







そんなこと言われたら


余計に泣いてしまうでしょう?




竈門 「…煉獄さんは、乗客を誰一人死なせなかった。

体を張って守ってくれた。


重症だった俺たちのことも、守ってくれたんだ。


『若い芽は積ませない』…って。」




あなたはどれだけいい人なんですか。




竈門 「胡蝶さんが心配するし、俺はもう行くよ。

またな。」


A「…うん。ありがとうね。わざわざ。」


竈門 「いいんだ。…それと…。





煉獄さんから。












…『愛している。』って。」



















え?




どういうこと?




竈門君が去っていったと同時に、膝から崩れ落ちた。



時透 「…A!?」


今やって来たのか、時透君が店に入ってきて私のもとに駆け寄る。


A「…時透君…。」


時透 「…大丈夫?


…どうして泣いてるの?

泣かせた奴教えて。」



本気で怒ってる時透君を見てちょっと嬉しくなった。



A「違うよ。誰も泣かせてない。

私が勝手に泣いたの。」

時透 「…何があったの?教えてくれる?」


銀子ちゃんから言われなかったのかな?

でも、彼はここまで来たら引き下がらないから…。

言うしかない。


A「…炎柱のね。煉獄さんが…亡くなったから…だよ。」



予想通り、ぽかんとしてる。

覚えてないんだろう。




覚えてないよね…。


慰めようとしてくれてるのは分かるよ。



さっきからずっと、背中をさすってくれてる。



でも、ごめんなさい。

慰められてる気持ちになれない。

あなたには、煉獄さんのことがわからないもの。


あなたは覚えてくれないんだもの。




時透 「…辛かったね。」



時透君は、小さな声で言った。



時透 「少しは覚えてるよ。炎柱の人。

すごく話しかけてくれた気がする。」



…なんだ。



明確には覚えてなくても、少しは記憶に残ってるんだね。



時透 「Aをそんなに悲しませるってことは、

君にとってすごく大切な人だったんだね。」


A「そうだよ。」


みんな大切だよ。

だから、辛いんだよ。


時透 「…僕は忘れっぽくて、よく分からないけど。

大切な人がいなくなったら、悲しいよね。」


時透君は、優しく私を包み込んだ。


 
彼の腕の中が暖かくて、しばらく涙が止まらなかった。

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作者名:照山紅葉 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月1日 0時

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